午の宴/2026
年初にて。
宴会場のパントリーは今日も大忙しだ。徳利が運ばれてきては酒燗器に並べられて、レバーを下げてはお酒を入れ、レバーを下げてはお酒を入れ。「みんなお酒飲み過ぎじゃない!? どこの部屋!?」
ここは
例の逸のお客さんたちはみんなして大画面で競馬を見ている。レースのたびに大盛り上がりで、パントリーにまで歓声が聞こえてくるくらい。うちにもカジノはあるのにそっちはいいんですか?って聞いたら「カジノで馬が走るか!? 走らんだろ! 俺たちは馬が見てぇんだ!」と熱弁されてしまった。とにかく情熱がすごい。あとお酒の進みもすごい。
「私もう、駄目かも……」
「そんな、どうしたの汀!」
どんな過酷な状況でも冷静に仕事を捌いてきた汀ちゃんが弱音を吐くなんて! 沫ちゃんの声と一緒に私も思わず彼女を振り返るけど、意外にも彼女は変わらぬスピードで徳利を酒燗器に並べている。ただ、レバーを引く前にこう言った。
「出馬のゲートに見えてきた……」
がしゃん。猛然とした勢いで注がれる熱燗たち。素晴らしいタイミングでレバーを上げた汀ちゃんがさらにその徳利たちを銚子運びに入れ、片手に握り、もう一方の手で角盆を掴んだ。
「行けっ……汀! 差せーッ!」
「汀ちゃん!」
私たちの声援に押され「行ってくる!」と駆け抜けていく彼女はまさに競走馬のような凛々しさ。だけど見惚れている暇はない。「次、
そんなこんなで今年の年始は「そのままー!」とか「残せー!」とか「ご飯を残すなー!」とか言いながら乗り越えていくことになる。板さんや蔵人さん、その場に居なかった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。