6 悪魔のはじまり
お昼休み。
給食でお腹いっぱいになった体をゆっくり教室で休ませたいところだったけど、私は再び屋上前の階段にきていた。来た理由も前回と同じ。神様に通話するため。
教室を出る時、またはーちゃんに「どこ行くの?」って聞かれたので、今回は「電話してくる。教室で皆に聞かれたくないから、人のいないとこで」と正直に答えてきた。
その結果、はーちゃんも山田ちゃんも特に何も言わずに見送ってくれたのだった。こんなことなら変な嘘つかずに、最初からこう伝えればよかった。
「もしもし小乃葉かー? 丁度よかったのじゃ。聞きたいことがあったのじゃ」
電話が繋がり、スマホから神様の深刻そうな声が聞こえてくる。なんだろう……。でもこのタイミングで何かあるなんて、きっと悪魔に関することだ。私の勘がアラートを鳴らしはじめる。
「なんですか?」
「うむ。小乃葉にしか聞けぬことなのじゃ。実はのう、わしは小乃葉の使う表現を理解しようとゲーム機を購入することにしたのじゃが、日本版と海外版、どちらを買えば良いのかのう?」
悪魔と全く関係なかった。私の勘、誤報を流してたわ。いや、どっちを買うかはゲーマーにとっては大切なこと。よし、ここは新しく生まれようとしてるゲーム仲間に先輩としてアドバイスしよう。
何て偉そうに言ったけど、予算と神様が住んでる場所から決めればいいだけのことなんで難しくないけど。……ん? 住んでる場所?
「神様ってどこに住んでるんですか?」
「天界じゃ。この場合、日本版と海外版、どちらにあたるのかのう? 探したのじゃが、異世界版がないようでのう……」
ど、どっちだ!? サポートセンターに問い合わせてみる!? でも「天界在住なんですけど、どちらのバージョンを買えばいいですか?」なんて聞いても、絶対悪ふざけだと思われるよね。ここは私が判断するしかないっ!
「え、えーっとぉ……海外版かなぁ?」
「わかった、そうするのじゃ。わしの要件はそれで終わりなのじゃが……小乃葉が電話を掛けてきた理由はなんじゃ?」
「あっ、そうでしたそうでした。実は新しいケルベロスが現れたんです」
「な、なんじゃとぉー!? それは一大事ではないか! 早く言わぬかっ!」
神様のおっきな声が聞こえてくる。びっくりして、思わずスマホを遠ざけてしまった。その間にもスマホからは「
「慌てなくても大丈夫ですよ! ケルベロスならもう倒したので!」
「な、なんじゃとぉー! 小乃葉、お主やるではないかっ! わしが何もアドバイスせずとも一人で解決してしまうとは驚きじゃぞ! おーい白狼! 人間界行きは中止じゃー! ケルベロスはすでに小乃葉が倒していたのじゃー!」
このやり取り、すでに何回目だろ。神様がせっかちって言うのもあるかもしれないけど、毎回振り回される白狼さんが可哀想だから、私も気をつけて伝えないとな。
「それで神様に聞きたいことなんですけど、ケルベロスって魔界にどのぐらいいるのかなぁ? って」
「どのぐらいって……一体じゃよ?」
「あ、あれ? でも私、AとBを倒しましたよ?」
「ケルベロスにAもBないのじゃ。小乃葉が最初に倒したのも、そしてさっき倒したのも同一個体なのじゃ」
「えっ? じゃあ、倒しされたケルベロスがすぐに復活して襲ってきてるってことなんですか?」
「正確には違うのじゃが……まぁ、そう思っていて問題はないかのう。簡単に説明するとのう、小乃葉の前に現れたマルバスやケルベロス、そいつらは実は本体ではなく分身のようなものなのじゃ」
「分身って……なにそれずるぅ。倒しても倒してもきりがないじゃん」
「いやそこは心配しなくて大丈夫なのじゃ。分身とはいえ、それは本体の力が注がれた存在なのでのう。倒せばその分、本体の力を削ぐことが出来るのじゃ。人間界への行動にどの程度力を割くかの判断は悪魔次第じゃが、何度か倒して力を削ってやれば、そのうち人間界への侵略を諦めるじゃろう。現にじゃ、力を失うことを危惧したのかマルバスはあれ以来姿を見せておらぬじゃろ?」
「そういえばそうですね。じゃあ、あと何回ケルベロスと戦うかはケルベロスのやる気次第ってことかぁ」
「そうじゃな。まぁ、どかーんと一気に悪魔の力を削る方法もあるにはあるのじゃが……」
なんだ、さくっと終わる解決方法があるんじゃん! なんか神様が言い辛いそうに言葉を濁してるのが気になるけど。
「どんな方法なんですか? 次に悪魔が来たら試してみます!」
「〈真化〉して大量の力を持った状態の悪魔を倒せば、その分大量の力を削げるのじゃ。まぁ、倒す前に殺されるのがオチじゃが」
駄目じゃん。
「次来ても試しません」
「そうじゃな。〈真化〉してない弱い悪魔をコツコツ倒した方が安全なのじゃ。いつ現れるかわからない悪魔を何度も見つけて倒すのは大変かもしれぬが……」
「そうなんですよぉ! もしかしたら悪魔がいるかもってずーっと気を張ってるんです! またどこかに悪魔が潜んでるんじゃないかって気になって、授業に集中できなくて困ってるんですよぉ! 神様、何かいい解決方法ありませんか?」
悪魔が来そうな時間を教えてくれる悪魔予報とか、悪魔が何処に潜んでるかわかる悪魔探知機なんて機能を、神アプリという名の神様と連絡とることしかできないなんちゃって神アプリに追加してくれないかなぁ?
「なんじゃ、そんなことか。安心せい、わしにかかればすぐに解決じゃ」
「えぇ!? あっさり!?」
「当り前じゃ。わしを誰だと思っておるのじゃ。神じゃぞ? その程度の悩み、すぐに解決なのじゃ」
「そんな簡単にできるなら、最初から神アプリに加えておいて欲しかったったなぁ。どんな機能何ですか?」
「何の話じゃ?」
「えっ? 神アプリに新機能追加して、私の悩みを解決してくれるんじゃ……?」
「いやそれは難しいのじゃ。神アプリはまだ開発途中でのう、やがては新機能も追加できると思うのじゃが現段階で弄るにはリスクが大きいのじゃ。じゃが安心せい。神アプリに手は入れられぬが、代わりにワシが小乃葉の脳をちょいちょいっと弄って授業に集中できる体に改造してやるのじゃ。失敗すると馬鹿になってしまうのじゃが、まぁ平気じゃろ」
「どこに手を入れてんだぁ! そっちのがリスクでけーだろーがぁ!」
アーマードコアじゃないんだぞ! 私を強化人間に改造しようとすんな!
「だ、駄目かのう……?」
「駄目です!」
「うーむ、本人が駄目と言うなら仕方ないのう。アプリに新機能を追加する方向で行くかのう……」
良かった、考え直してくれた。人の脳弄るとか神じゃなくて悪魔がやる所業だからね。
休み時間がもうすぐ終わるよーというチャイムが鳴ったので、神様との電話を終わらせて教室へと戻る。
階段を降り三階の廊下にたどり着くと、すぐ目の前の渡り廊下を通って別校舎に向かう生徒たちが見えた。私と同じクラスの男子グループ。教室に戻らずにどこ行くんだろ?
私の学校には校舎が二棟あって、私が今いる校舎は下駄箱のある一階こそ保健室や職員室など特別な部屋があるけど二階以上は生徒たちの教室という面白みのない校舎。二階が三年生、三階が二年生、四階が一年生となってる。
逆にさっきクラスの男子が渡り廊下を通って向かった別棟は面白そうな特別教室の宝庫だった。調理室やコンピューター室、理科室に美術や図工、音楽室といろいろある。
私のクラスの男子がその特別教室だらけの別棟に行ったってことは、次の授業はそういう場所でやる授業ってことだよね。次の授業は……音楽だったかな? そうだとしたら、隣の校舎四階端にある音楽室に行くまではちょこっと時間がかかる。急がないと遅刻しちゃうかも。そう思い早歩きで廊下を進んで教室に戻る。
教室に戻ると、中にいる生徒は二人しかいなかった。山田ちゃんとはーちゃん。
はーちゃんが私に向かって手を振る。
「遅いぞ小乃葉―」
「ごめん、待った? ううん、今来たところ」
「一人で恋人ごっこすんな。ほら、さっさと音楽室行くよ」
「あーい」
私は机から音楽の教科書と筆箱を取り出し、二人と一緒に急いで次の授業が行われる隣の校舎四階の音楽室へと向かった。
五時間目、音楽。
今日の授業内容は音楽鑑賞。昔の曲を聞いて感想を提出しなさい、だって。
音楽鑑賞の授業って去年もやったなぁ。その時聴いたのは『魔王』って曲。作曲者は……誰だっけ。パーマみたいな髪型の人だった気がする。確か音楽室の前の壁、黒板の上にずらーっと飾られた肖像画の中にいたような……そう思って肖像画を見る。
な、なにぃー!? どいつもこいつもパーマかけたみたいな髪してやがるぅ!? あっ、一番端の日本の人だけは絶対に違うな。
結局、誰が作曲者かは思い出せなかったけど、去年は『魔王』という曲で音楽鑑賞の授業をやった。それじゃ、今回はなんていう曲を聴くかというと……なんと秘密だった。
先生は「曲の途中で誰もが聴いたことのある部分が流れるから、それを聞いて曲名を紙に書いてください」と言った。曲名当てクイズってことだね。そうやって問題を出すことで、ちゃんと音楽鑑賞させようって狙いがあるのかも。去年は寝ちゃった人もいたし。
でも寝ちゃうのも仕方ないと思う。一年生の時もそうだったけど、音楽の授業って五時間目なんだもん。給食食べてお腹いっぱいになった後に、椅子に座って大人しく曲を聴いてると眠くなっちゃうよ。だから寝ちゃった人は悪くないと思う。うん、悪くない。悪くないとは思うけど、今回は寝ないように頑張ろう。
目を閉じて、教室前方の天井近く左右の隅に一つずつ設置されたスピーカーから聞こえてくる音楽に耳を傾ける。オーケストラで演奏された軽快なメロディがスピーカーから流れている。色んな音が聞こえてくるけど、どの音が何の楽器から出された音なのかはさっぱりわからなかった。
はじめこそ軽快な感じだったけど、曲はすぐにゆったりと穏やかなメロディへと変わっていった。……やばい、ちょー眠い。斜め前の席の男子なんか、夢の世界に旅立ちかけているのか、頭がメトロノームみたいになってる。
眠気を追い払おうと目を思いっきり開くと、机の上に置かれた感想を書くための紙が見える。これから私によって素晴らしい感想が書かれる予定の紙だけど、今現在は一行文字が書かれてるだけ。
ジャック・オッフェンバック。曲が始まる前に先生が教えてくれた、今回の曲の作曲者の名前。聞いたことあるような無いような名前。そうだ、海賊に似たような名前の人いなかった?
海賊っていったら、髑髏の帆を掲げる船に乗り、仲間たちと一緒に酒を片手に陽気に歌ってるイメージ。曲作りも好きそう。きっとジャックさんは海賊の作曲家なのかも。
曲が流れ出して結構時間が経ったけど、今全体の何パーセントぐらいのところなのかな? 後どのぐらいこの時間が続くんだろ。
このまま眠気と戦いながら、最後までちゃんと曲を聞き続けられるか、ちょっと不安。早く聞き覚えのあるフレーズとやらが来てくれないかなぁ。まさか私が気づいてないだけで、もう過ぎてたりしてないよね?
なんて不安になってたら、スピーカーから聞いたことのある軽快なメロディが流れ出す。運動会の駆けっこでおなじみのアレ。聞き逃してなくてよかったと安堵しながら、提出する紙に曲の名前を書く。『運動会』っと。これで第一段階はクリア。あとは曲を聴き終えて感想を書くだけ。勝ったな。勝ち負けの問題じゃないけど。
曲名を突き止めた今、後は感想を書くだけだから万が一気を抜いて寝ちゃってもなんとか出来そうなんだけど、そうなるとなんだか逆に眠くなくなってくる。不思議。
結局、眠らずに最後まで曲を聴くことが出来た。まぁ、いいことだよね。頑張ったね、私。
スピーカーから流れる曲が止まり、引き換えに生徒たちの声が聞こえ始める音楽室。さっそく感想を書くため、私は頭を回転させて文章を考えながら、何気なく窓の方を見ると……。
「はあっ!?」
大きな声を出して立ち上がったためクラスメイトと教師の視線が私に集まったけど、そんなの気にしてる場合じゃない。
なんでなんでなんでっ!? 音楽室の窓。普段は四階の高さに相応しい、そこそこ見晴らしの良い景色を映してるその窓の一部分が、大きな黒い球体によって埋められていた。いや、球体は窓だけじゃなく、壁にまではみ出してる。
黒い球体が、すべてを飲み込むブラックホールのように、窓や壁を覆い隠してた。
その黒い球体だけでも驚く出来事だったけど、私が大きな声を出して立ち上がった原因はその球体の中から出てこようとしている存在のせいだった。
ヒグマよりも大きな体をした、三つ首の黒い犬が出てこようとしている。人間なんて簡単にかみ砕けそうな鋭い牙。不吉な赤い瞳。不気味な長い舌。口の端から垂れる涎。
時計やハンカチに取り憑いていた時のマスコットキャラのような姿とは明らかに違う、おぞましい姿の三つ首の巨犬。
ケルベロス。
きっとこの姿がケルベロス本来の姿――〈
ケルベロスはすでにあらわになった三つの頭や前脚に続き、残りの大きな胴体や後ろ脚も球体から出そうとしていた。しかし窓に張り付く球体はケルベロスの図体よりも小さく、体のいたるところが引っ掛かって上手く出れずにもがいてる。
その暴れもがく姿は、間抜けと感じる気持ちよりも、恐怖のが大きかった。
アイツが何に取り憑いて、私に気づかれずにあそこまで成長したのか全くわからなかったけど……今はそんなことを考えてる場合じゃない!
あの球体から出てくる前になんとかしないと!
「姫野さん? どうかしましたか?」
教室の隅に座っていた音楽の先生が、立ち上がったままの私に尋ねる。どうかしましたかって、どうかしてるんだけど……どうすればいいのこれ!?
球体から抜け出ようと三つの頭から涎をまき散らしながら暴れているケルベロスを見ながら、私は何をすべきなのか脳を回転させる。なんか武器になるものを探して、それであの馬鹿でかい犬を攻撃して穴の中に押し戻す。それしかない。
武器、武器……何か武器になりそうなもの……。音楽室を見渡すと、私たちのクラスと同じような掃除用具入れが目に付く。
そうだ箒。ちょっと離れたところから攻撃できるし、武器として役立ちそう。
正直、あの熊より大きくて強そうなケルベロスが箒でなんとかなるとは思えないけど、他に何も思いつかないし悩んでる暇はない。掃除用具入れに向かってダッシュ!
「姫野ちゃんっ!?」「小乃葉っ!?」「何だ何だ!?」
私の行動に驚いてクラスメイトが騒ぎ出したけど、かまわず掃除用具入れから箒を取り出す。ケルベロスを見据え、箒を槍のように構える。
「おりゃー!」
気合を入れるために声をあげてから、クラスメイトが座る座席の合間を駆けケルベロス目掛けて突撃する。
きっとケルベロスが見えない皆からは、私の姿は箒を持って窓に突っ込んでいくように見えてるんだろうな。それはそれでヤバい光景だからびっくりしただろうけど、私が見てる光景――ケルベロスと比べれば可愛いものだから、みんな許してね。
私は走る勢いを乗せたまま箒を使った突き攻撃を、ケルベロスの真ん中の首に向かって繰り出す。私の渾身の一撃。
しかし、その一撃をケルベロスはあっさり噛み砕く。
箒はケルベロスの三つの頭に噛まれ、一瞬で手元の部分以外、跡形もなくなってしまう。その光景に驚いて、思わず後ろに後ずさりする。箒を持ってる手が噛まれなくてよかった……。
くそぉ。手元に残った、もう武器として使えない箒だったものを、せめてもの抵抗としてケルベロス目掛けて投げつける。箒だったものは頭の一つに当たり、跳ね返ってどこかへ飛んでいく。
私の投擲攻撃は0ダメージだったらしく、ケルベロスは何事もなかったかのように球体から脱出しようとしていた。……駄目かも、これ。
大して障害にはならなかっただろうけど、私という邪魔者がいなくなったケルベロスがついにその全身をあらわにする。最後に出てきた尻尾は蛇の姿をしていた。
ケルベロスが人間界に現れたことによって役目を終えたのか、球体は小さくなっていき消滅した。
「うおおおおおおおおおおおおおおおおん!」
〈真化〉した喜びを表現するように、ケルベロスが吠える。犬の遠吠えに似てたけど、音量が桁違いに大きかった。思わず両耳を塞ぐ。空気が震え、窓ガラスが割れる。風圧に押されて、体が後ろに倒れそうになる。
こんなの、どうすればいいの。逃げる? 教室の皆を置いて? 悪魔を認識できない皆は、何もわからないまま死んじゃうかもしれないのに?
「……くそがぁ! 頭が三つある大きな犬程度が、私を舐めんなよぉ!」
もうやけだぁ! こうなったら最後どころか、最期まで抵抗してやるからなぁ!
武器を手に入れるため、まだ箒が残っている掃除用具入れに向かおうとして……そこで私は気づく。周りに人が居ない。
突然消えてしまったかのように、クラスメイトも先生もいなくなっていた。何が起こってるの?
「うおおおおおおおおおおん!」
誰もいない教室を見て混乱してる頭をケルベロスの大音量の吠え声で揺すられる。うるせぇ!
振り返ると、ケルベロスが大きな巨体に似つかわしくない、けれども犬らしい素早い動きで私目掛けて飛びかかってくるのが見えた。
「うわぁ!」
驚いて尻餅をつく。身を守ろうと体を縮こまらせたけど、一瞬で箒を噛み砕く牙相手には全く意味がなさそうな行為だった。
噛まれるっ! 痛みが襲ってくることを覚悟する。
割れて壊れる音が音楽室に響く。しかし、その音は私の頭が齧られた音じゃなく、ましてや音楽室のスピーカーから流れたものでもなかった。
重そうなケルベロスの大きな体が軽々と吹っ飛び、音楽室の窓や壁を壊しながら外へと落ちていく音。
「えぇっ!?」
呆然と、ケルベロスが吹っ飛んでいった方を見る。巨体がぶつかって出来た音楽室の壁の大きな穴からは、青空と学校周辺の景色がよく見えた。防音効果を失った今、今後、この部屋は音楽室としてやってはいけなさそう。
「いやー危ないとこでしたね。ギリギリ間に合いました」
私がケルベロスに齧られる瞬間に、そのケルベロスの胴体に向かって回し蹴りをお見舞いし吹っ飛ばした男の子が、私に向かって話しかけてくる。
私と同い年ぐらいに見える男の子。昔の中国の服なのかな、中国拳法が似合いそうな服を着ている。ゲームに出てきた道士服ってやつに似てた。
男の子が私に向かって丁寧にお辞儀をする。
「神様の命により、小乃葉様を助けに来ました。狼の神使、
男の子――白狼くんは頭から生えた犬の耳とお尻から出た尻尾を揺らしながら、そう私に挨拶した。
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