第四話 重巡洋艦ドライデン

アレンは、鹵獲した旧式輸送艦の艦名を《ジーベック》と命名した。


アイベルサスコロニーへ向けて、航行中のジーベックの操舵は自動航行モードに任せた。


アレンとネオンの二人は、おそらく宙賊の艦長が使っていたであろう艦長室のベッドで、仮眠を取った。


艦長室のベッドが一番マシだった。


3時間ほどの仮眠を経て、起床した二人は、揃ってブリッジに戻ってきた。


「コロニーまではまだ掛かりそうだな、先に貨物室のをしよう」

「掃除?」

「ああ、法に触れそうな積荷があったら、困るだろ?」

「確かに」


貨物室に積荷があることは、貨物室に設置された監視カメラで確認している。


二人は、ブリッジを出て、艦内地図を頼りに貨物室がある、艦底部に向かう。


貨物室の扉を開けると、いくつかのコンテナが、二人を、出迎える。


「右のコンテナの中身は戦闘艇の補修に使う予備パーツとか、武装の予備、あとはレーザーガンに使うエネルギーパックだな」

「違法のものはある?」


「特にはなさそうだ、俺たちには必要なのは、レーザーガンのエネルギーパックくらいか」

「軍用のレーザーガンでも、使えるの?」


ネオンは自分の右腰のホルダーに挿さるレーザーガンとに目を向ける。


「レーザーガンのエネルギーパックは基本的に共通規格だから、使えないことはない、ただし民間用だとエネルギーの消費量が多くて、すぐに空になると思う」

「うーん、エネルギーパックをたくさん持ち歩くのは好きじゃない」


「そもそもネオンは単分子ブレードが主武装だもんな」


ネオンの左腰のベルトに挿さる鞘に納められた剣、レーザーガンやレーザーライフルで武装することが一般的な時代において、時代錯誤だと思われるかもしれないが、意外とそうでもない。


ネオンのように兵士として、作られた例を除くと、身体能力や脳の演算速度を向上させる強化手術というのが、義体サイボーグ化とは別に存在している。


かなり高価な手術の為、行なう軍人は多くはないが、いないわけではない。


手術により身体能力や脳の演算速度が、強化され白兵戦用の強化アーマーを着た兵士が、剣を持つとどうなるか。


レーザーガンを抜かれる前に、相手を斬り、たとえレーザーライフルを抜かれても、目も止まらぬ速度で動く兵士を仕留められず、斬られる。


そういった想像の埒外のことを成すことが可能で、身体強化して剣を持った兵士は簡単に小隊を全滅させる十分な脅威である。


また強化兵が持つ剣は、兵士の着る防護アーマーを簡単に切り裂くことができるした旧式輸送艦の艦名を《ジーベック》と命名した。


アイベルサスコロニーへ向けて、航行中のジーベックの操舵は自動航行モードに任せた。


アレンとネオンの二人は、おそらく宙賊の艦長が使っていたであろう艦長室のベッドで、仮眠を取った。


艦長室のベッドが一番マシだった。


3時間ほどの仮眠を経て、起床した二人は、揃ってブリッジに戻ってきた。


「コロニーまではまだ掛かりそうだな、先に貨物室のをしよう」

「掃除?」

「ああ、法に触れそうな積荷があったら、困るだろ?」

「確かに」


貨物室に積荷があることは、貨物室に設置された監視カメラで確認している。


二人は、ブリッジを出て、艦内地図を頼りに貨物室がある、艦底部に向かう。


貨物室の扉を開けると、いくつかのコンテナが、二人を、出迎える。


「右のコンテナの中身は戦闘艇の補修に使う予備パーツとか、武装の予備、あとはレーザー銃に使うエネルギーパックだな」

「違法のものはある?」


「特にはなさそうだ、俺たちには必要なのは、レーザー銃のエネルギーパックくらいか」

「軍用のレーザー銃でも、使えるの?」


ネオンは自分の右腰のホルダーに挿さるレーザー銃とに目を向ける。


「ピストルのエネルギーパックは基本的に共通規格だから、使えないことはない、ただし民間用だとエネルギーの消費量が多くて、すぐに空になると思う」

「うーん、エネルギーパックをたくさん持ち歩くのは好きじゃない」


「そもそもネオンは単分子ブレードが主武装だもんな」


ネオンの左腰のベルトに挿さる鞘に納められた剣、レーザー銃やレーザーライフルで武装することが一般的な時代において、時代錯誤だと思われるかもしれないが、意外とそうでもない。


ネオンのように強化兵士として、作られた例を除くと、身体能力や脳の演算速度を向上させる強化手術というのが、義体サイボーグ化とは別に存在している。


かなり高価な手術の為、行なう軍人は多くはないが、いないわけではない。


手術により身体能力や脳の演算速度が、強化され白兵戦用の強化アーマーを着た兵士が、剣を持つとどうなるか。


レーザー銃を抜く前に、相手を斬り、たとえレーザーライフルを抜かれても、目も止まらぬ速度で動く兵士を仕留められず、斬られる。


そういった想像の埒外のことを成すことが可能で、身体強化されて剣を持った兵士は簡単に小隊を全滅させる十分な脅威である。


また強化兵が持つ剣は、刃が単一の分子で構成されているため、切れ味が抜群で、兵士の着る防護アーマーや陸戦戦車の装甲さえも簡単に切り裂くことができる。


そんな思考に囚われていると、警報音が鳴り響く。


「接近警報!?、ネオン!」

「ん!」


二人は中空に放り投げていたヘルメットを掴んで、被りそれぞれ走り出す。


ブリッジに駆け込んだアレンは、タッチパネルに触れると、三隻の船が接近していると表示されていた。


アレンは、パネルを操作し、光学カメラで接近する船を、ブリッジのメインモニターに表示する。


「解像度は低いが、あれは軍艦だ!」


性能が低い光学カメラ越しであっても、軍艦特有の機能性と重武装を両立させる重厚なフォルムは見間違えようがない。


『アレン!』

『ネオン、そっちでも見えてるか!』

「ん!、あれは軍艦」


『何をしてくるか分からないが、ネオンはシルヴァーナで脱出する準備をしてくれ』

『アレンは?』

『俺はなんとかしてみる、どうにもならなかったら助けてくれ』

『ん、絶対助けるから、通信は切らないで』

『おう』


ちょうどネオンとの通信を終えた頃に、三つの軍艦の内、一番大きい重巡洋艦からオープンチャンネルで通信が入ってきた。


『こちらは連邦航宙軍第七辺境宙域艦隊所属ドライデンだ、貴艦が宙賊の船であることは分かっている、速やかに停船せよ、繰り返す、速やかに停船せよ』


アレンは指示に従い、停船する。


持っている武力はあちらの方が上であり、一先ずは指示に従うのが吉だ。


『私はドライデン艦長セリアリア大佐だ』


メインモニターに軍服を着た精悍な金髪の女性軍人が、表示される。


『どうも、こちらは輸送艦ジーベックのアレンだ』

『そう警戒するな、アレン殿。こちらに貴艦を攻撃する意思はない、貴殿が宙賊艦を鹵獲したことは捕虜から聞いている』


(捕虜?、ああ、脱出艇で逃げた宙賊か、軍艦に捕まったのか)


この広い宇宙で、他の船に拾ってもらったことを喜ぶべきか。それともそれが軍艦だったことを嘆くべきかは宙賊ではないアレンには分からない。


『捕虜は一機のARMSに襲われたと言っていたが、貴殿は傭兵か?』

『いや、その傭兵になるために共和国からやって来た者だ』

『ARMS単騎でか?』

『まさか、乗っていた船はで沈んでしまった。俺とARMSのパイロットはその船から脱出したところで、この船に乗っていた宙賊に襲われ、報復し、襲われた腹いせに輸送艦を奪った』


嘘は言っていない、アレンとネオンが乗っていたイラストリアス級四番艦は敵の奇襲不幸な事故により轟沈した。


『ふむ』


思案するセリアリア大佐は、こちらの発言の真偽を見抜こうとしているのだろう。


アレンとネオンが、共和国軍の脱走兵であることは、知られない方がいい、軍人相手の場合は共和国のスパイと思われても面倒だ。


『ARMSのパイロットと会話することはできるか?』

『もちろんだ』


アレンは、ネオンに一言伝えて、セリアリア大佐とネオンを繋ぐ。


『私はこの艦の艦長を務めているセリアリア大佐だ、貴殿の名は?』

『ネオン・ヴァイク』

『ネオン殿、貴殿の乗るARMSが単騎で輸送艦を鹵獲したと聞いたが、どうやったのか教えてくれ』


『脅迫、今すぐ逃げないと船を沈めると脅した』

『ほう、シンプルだな』

『ん、シンプルだけど、よく効く』


『もし宙賊が脅しに屈しなかった場合はどうした?』

『その時は素直に諦めて、艦橋を破壊した』


『破壊?、何故だ』

『宙賊への報復が目的だったから、鹵獲はあくまでついでだった』


ネオンの答えにしばらく沈黙したセリアリア大佐だったが、やがて得心を得たように頷いた。


『引き止めてすまなかった、宙賊を討伐してくれたことには感謝しよう、良き航海を』


セリアリア大佐は、賛辞を残してメインモニターが消えた。

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