学校での日常
俺の名前は
春休みも終わり、今日から二年生になる。
二年生になったからといってクラス替えがある訳でも無いので、俺の周りに変化は無く今までの日常が続いて行くのだろう。
二年A組の教室に入ると俺の指定席である窓際の後ろから二番目の席に向かう。
「おはよう」
「ぉはよぅ」
一番後ろの席の女子に挨拶をすると俺だけに聞こえるくらいの小さな声で返してくれる。
これも一年の時からの日常だ。
俺とこの子の席は理由あって一年の時から何度席替えがあっても変わらないでいる。
その理由というのがこの子の…
「あっ、来た来た!おはよ~☆湯月。スンスン、今日はラベンダーの匂いね。落ち着くわ~」
あ~もう!この子の話の前に、こっちの陽キャ女子の話をしよう。
今も俺の首元に鼻を押し当てスンスンと匂いを嗅ぎ恍惚な表情を見せる女子。
この子の名前は
高校で初めて会った時に抱き付かれ匂いを嗅がれた。
それからというもの毎日俺の匂いを嗅ぎに来る変態だ。
これもまた日常なんだ。
「ほら、もういいだろ!近いんだって!周りに誤解されるだろ」
「いいの、いいの。私、湯月の匂い好きなんだから☆」
「だから!そういう事言わない!お前は有名人なんだから、もう少し自覚をだな」
美香はその美貌からモデルの仕事をしている。
芸名は『
匂いフェチを公言している美香。
アロマのレビューが好評で、最近では化粧品会社からの仕事も来ているそう。
若い男女から絶大な人気があるようだ。
「まあそんな事分かってるか。いつも笑顔でキラキラしてるのが疲れた時くらいなら匂い嗅ぎに来ていいから。間違えても他の男にするなよ!お前は可愛いんだから俺じゃなきゃ勘違いするからな!」
「そ、そういう所よ!アンタの悪い所」
「どういう所だよ?俺は小説を読むからあっちに行ってやれ。お前と話したい生徒は沢山いるんだから」
ここに居る限り誰も話に入り込んで来ない。いや、入り込もうとしないだろう。
「小説って、また猫ちゃんと同じ小説読んでるの?いつまで猫の保護者やるつもりよ。猫ちゃんも湯月に頼りっぱなしじゃ、この先卒業してから大変よ」
「…ぁっ…ぃゃ…ぅん」
急に話を振るから後ろの席の女子がテンパってるだろ…
「ごめんごめん、怒ってる訳じゃなくって…ん?気のせいかな…?確かに今…ラベ」
「どうした?美香?」
「ん?あ~、呼ばれてるから私行くね!」
ピューっと女子が集まっている所へ突撃し、あっという間に話の中心に入る美香は凄いと思うよ。
そうだ!後ろの席の女子の紹介がまだだったな。
この子の名前は
美香は猫ちゃんと呼んでるな。
猫背で髪の毛もボサボサだからか野良猫と呼ばれる事も多い。
裏では学年一の汚少女と呼ばれている。
彼女は重度の風呂キャンセル勢と言われている。
俺は気にならないが他の生徒に言わせれば目に来る匂いらしい。
風呂に関しては家庭の事情もあると思う。
親が風呂キャンなら入らないのが普通になってしまうだろう。入りたくても入れない理由があるのかも知れない。
俺からしたら懐かしい匂いがする。くらいなものなんだけどなぁ。
というのも俺には年の離れた姉が居て、VTuberをしているのだが「VTuberはどれだけお風呂に入らないかでマウントを取るもの」と一週間風呂に入らない事もざらだった。
そんな環境で育った俺は匂いに慣れてしまっているのか、美夜子さんと普通に話せるのが俺しか居なかった。
そんな訳で美夜子さんに用事があると俺を通すようになったんだ。
それで呼ばれるようになったのが『猫の保護者』だ。
席替えの件も匂いの元を教室の真ん中には出来ないという事で後ろの端になった。俺もいっしょに。
猫の保護者といっても話をするのはお昼休みくらいな物で、そこでは同じ小説を読んだ感想を俺が一方的に話す感じだ。
あと、風呂に興味が湧くように風呂の良さを語る事が多いか。
今日もプレゼン用に用意した物がある。
早くお昼休みにならないかな。
ただこの日から風呂の話をすると美夜子さんの様子がおかしくなるのだが俺は風呂の事で一杯でそれに気付かなかったんだ。
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