15.そうだ、別の惑星に行こうよ!

 さて、そういう感じで夢についてあれこれ自主研究をしていたある日、変な明晰夢を見た。

 わたしは、いわゆるUFOというか? 宇宙船というか? そういうのに乗っているようだった。

 同乗者は何人かいたようだけれど、どの人も目には見えなかった。見えないけど、いるのははっきりとわかる。


 UFOは、高速で移動している。

 さて、どこに向かっているのだろうか?


「どこに向かってるの?」

「地球とは別の惑星だよ。君は向こうで活動するんだ」


 あぁ〜そうなんだぁ。この人たちの惑星かな。

 なんて呑気に思ったのも束の間、不安になった。なにせめちゃくちゃ高速移動をしているのである。

 窓の外の風景はなんというか、時空間的なやつだった。時空間とか知らんけど。


「えっと、行くのは良いけど……地球には戻れるの? まだやり残したことがあるし、地球に活動拠点を置きながら両方で活動とか? 出来る?」

「うーん、まあ、出来るよ。おすすめはしないけど」


 え、そうなんだおすすめ出来ないのか。

 考えた。UFOの中で悩んだ。

 そう、わたしはまだ地球で作家になっていないのである。それなのに、その夢を今捨てる決心が出来なかった。

 両方で活動してもいいが、ミジンコ体力のわたしに二足のわらじなんて出来るだろうか? そもそもおすすめ出来ないらしいし。


「そっか。じゃあ、行くのやめるよ。やり残したことがあるから、地球で活動したい」

「そう」


 見えない人は、とても残念そうにしていた気がする。


 そうして、夢から目覚めた。

 いつも通り、自室の布団の中で。


 あー、俗に言うエイリアン・アブダクション体験はこれかと納得した。

 金縛り→入眠時幻覚→明晰夢という流れである程度説明できるな、と(説明出来ない例もあるよとか、そういう話はここではしません。これは夢の話であり、ただのわたしの感想なので)。


 一度や二度のアブダクション体験だと、現実と思うのも無理はないと思う。金縛りとか入眠時幻覚とかは、本当に現実と変わらないほどリアルな体験なのだ。

 しかも恐怖心があると、幻覚は恐怖が増強される。怖いと思うほどに怖い幻覚になる。

 だが、ありとあらゆる入眠時幻覚を体験し、どこかへ連れ去られたりもしょっちゅうしている身としては、なるほどなぁと思った。


 でもふと、考えてしまったのである。

 あの時、別の惑星に行くと言っていたら、どうなっていたのだろう。

 もしかして、地球で目覚めることはなかったのかもしれない。

 なにせ、さんざん中身だけ引っ張られ続けて来たのである。夢とはいえ、ちょっと背筋が寒い。


 あ、もう変な夢の研究なんてやめよう。

 そう思った。

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