第1章-7 Janaka(ヤナカ)と慧 (後半)

(ううっ。頭が痛い!)

(汝はダレだ!)



(頭の中で誰かの声がする。いてててえ)

(魔よ、この私の体から出てゆけ!)



(違っ、違います。私は慧、日本人です)

(ケイ? ニッポン? 人か? 何故この私の中にいるのだ?)


(わかりません。ただ、青いライトアップを見たらここに来てしまったようです)

(ふ~む。jīva(生命・魂)は一人一つが真理。矛盾は許されん。出てゆけ)



(そう言われましても、ここに来たばかりでどうすればいいのか自分でもわからないんです)


(汝よ、呑気なことをいっている場合ではない。


汝は、Tapas苦行の妨げ、


汝は、asuddhatta、āsava不浄、カルマの流入


いますぐ、ここから出ていけ)



(出ていきたい気持ち、その気持はやまやまなんですが、どうすればよいのかわかりません)



ジャーピタがやってきて声をかけた。



“Kinti, āvusどうだo? Idha thokaṃ少しこの辺を sañcarissā歩いてみるかma?”




ジャーピタの後について行きながら、心のなかではヤナカと慧の問答は続く。


(あの、あなたの名前は?)

Janaka ヤナカ


(どちらから?)



ヤナカは少し記憶を辿って、話し始めた。



(うむ。私は、ガンダーラの南から来た Samana Ājīvika アージーヴィカ行者


(スワート谷の奥地で7日間のSallekhanā断食修行中に、ホーマー(護摩焚き)信仰の教祖と出会った)


(そして、ホーマーが焚かれ、その信者たちが集まった広場で私は教祖と舌鋒を鋭くし論戦をした)


(ホーマーには薪の他にも香木、無幽草(大麻のような植物)が含まれており信者を洗脳する力がある)


(だが、私には苦行で得た感覚器官を自制する能力がある)


(故に、無幽草の幻覚は起きない)


(ところがだ、あと一歩で教祖を論破して打ち負かすという時に、汝が入ってきて足元がふらつき、谷へ落ちたのだ)


(まったく、招かざる客とはまさしくこれだ)



(そうでしたか、ごめんなさい)

(とにかく、早く出てゆけ。苦行の邪魔)



(そういわれましても、、、どうすりゃいいのぉ~)


[BGM]

"Scatman (Ski Ba Dop Bop)"



-----------------------------------------------------------------------------------

【脚注】

※ [BGM]について


物語を眼で追い、BGMを実際に耳で聴く事により、読書体験がより膨らむように選曲しています。


<利用例>

1. 最初に文章をエンドまで読み終える

2. 次に、BGM の"(曲のタイトル)"をYoutube、Spotifyなどで検索

3. 曲を準備してもう一度最初から読む

4. BGM のところまで読んだら曲をプレイ

5. 続きの物語を読んでそのシーンの世界観を拡げる


検索結果が複数出た場合、オリジナルメディアの音源とライブなどバリエーションを聴き比べるのも楽しみ方の一つ。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る