第1章-3 スワート川の流れの中で
高雄の中心街に戻り、宿泊するホテルにチェックインした。
部屋に入ってすぐに汗を流して、一息ついたらスマホの画面は
16:44
(ちょっと早いが、行ってみるか)
慧けいの今晩の予定は”
昼間の喧騒とは打って変わって、不夜城のような屋台の灯りで通りがぎっしり埋まり、歩行者天国の食べ歩きパラダイスに変わる。
独特の海鮮汁麺や鶏肉麺、、
豊富な種類の炭火焼きの串焼き、、
豆腐に黒蜜やシロップを掛けてさらにトッピング、、
そしてバリエーションが多すぎて目移りするかき氷、、
日本ではもはや絶滅危惧種の水飴やベッコウ飴などの駄菓子感覚の甘味も台湾ではまだまだ健在。
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夜市を満喫した慧は、本日シメのアトラクションとして夜景クルーズの船に乗った。乗客のほぼ70%はカップル。
あとは女性グループで、家族連れは小さな女の子を連れた若い夫婦の一組だけだった。
(だよなぁ)
そう、お一人様は慧のみ。
高雄の夜景クルーズは外海と隔てられた運河のような水面を遊覧する。
したがって、よほど風が吹かなければ船は揺れない。
高雄のダウンタウンのビルがカラフルにライトアップしている。
港の灯りが風情を醸し、夜風は潮の香りを含んでいて心地よく鼻をくすぐる。
船がこの運河をまたぐ形で架かる大橋の下を通り過ぎようとしたとき、左手に見えるビルのライトアップが紫から群青色に変わったのを慧は見た。
(あっとぉ!なんだこれ?頭が、いや、意識が消えてゆくのか?)
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-ザァ~-
-ザァ~-
-ザァ~-
-ザァ~-
-ザァ~-
(川の流れている音?)
(眼が開かない)
(白い)
(頭の中が真白)
(このことか?アノ”頭が真っ白になる”って)
(とりあえずスマホ)
ズボンのポケットに手を伸ばしたが、その指先にはズボンではなく、水の中の抵抗を感じるだけだった。
(あれっ、なんだ俺、服着てないじゃないの。というかだな、そもそもこの状況って非常にやばいやつじゃないの?)
クマが吠えるような大声、慧の体がふっと宙に浮いた。その時、やっと眼を開くことができた。
(おー! いきなり川の中って、ウッソだろう!!)
[BGM]
"川の流れを抱いて眠りたい"
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【脚注】
※文中のローマ字(発音付き)は、古代インド語のひとつパーリ語。読み方はそのままローマ字読みでOK。
故に、
Aho! Tumhe sajīva! = アホッ! トゥムヘ サジーワ!
ガンダーラ語は辞書が正式には確立されていない。故、辞書を参照できないため、全編を通じてパーリ語に統一、また古代インドでサンスクリットは会話では使用しない。
パーリ語のセリフを声に出して読んでみると、英語、日本語に相当する語彙を発見することも楽しみ方のひとつ。
文法は、日本語と概ね同じ語順。また、動詞、形容詞は語尾活用が最大で8段変化し日本語の助詞(ーに、は、ーで等)に相当。更に、女性詞と男性詞に中性詞、人称、単複数、過去未来の活用等をする。
※ [BGM]について
物語を眼で追い、BGMを実際に耳で聴く事により、読書体験がより膨らむように選曲しています。
<利用例>
1. 最初に文章をエンドまで読み終える
2. 次に、BGM の"(曲のタイトル)"をYoutube、Spotifyなどで検索
3. 曲を準備してもう一度最初から読む
4. BGM のところまで読んだら曲をプレイ
5. 続きの物語を読んでそのシーンの世界観をさらに拡げる
検索結果が複数出た場合、オリジナルメディアの音源とライブなどバリエーションを聴き比べるのも楽しみ方の一つ。
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この読書体験を何度も重ね、操作に慣れていただくことで、第1章のエピローグでは映画を見終わったときのような余韻を味わえるプロットに仕上げます。
尚、このシーンの選曲(川の流れを抱いて眠りたい)は第1章での慧のイメージソングです。
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