第1章-2 高雄にて、竹筒飯と鶏モモの炭火焼き

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スマホに手を伸ばしてサイドボタンぷち。

毎日05:30にセットされたアラームは休みの日でも鳴る。



30代に入ってから、月曜の起床が遅れ気味になることが多くなった。


そこで、休日も平日と同じ時刻に一度起きて、朝のルーティンをこなしてから、その日の予定を決めるようにしている。



ベッドから滑り降りてバスルームに向かう途中、湯沸かしポットに500mlボトルのミネラルウォーターを一本入れてスイッチを入れると、すぐに沸き立つ音がしてきた。



(こっちの電圧ちょっと高いんだっけ)



アメニティのティーバッグをマグカップに落とし込んで湯を注ぐと、鉄観音の香りが部屋に広がった。



(流石に台湾のホテルだけあるよなぁ)



本日の慧の予定は台北市内から台湾新幹線で約1時間半、台湾島の南端のところに位置する高雄カオション。そこから更にマイクロバスで山岳方面に向かう。



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霧台と書いて「ウータイ」、台湾に古来から住んでいる民族ルカイ族の村に到着。


最初に訪れたのが、高さ3メートルほどの大きな一枚岩に肖像画のような彫刻がある場所。

その肖像画の横に「アブルガン」という文字がカタカナで掘られていた。


村の老女曰く、昔、日本兵が来て村長の肖像画を彫ったという。


そう言われてみれば、大東亜戦争(太平洋戦争)のときに日本は台湾を一時統治している。

その時に、学校では日本語科目があったので、現在も台湾には日本語を話せるお年寄りが結構いるのだ。




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慧は、Somaという食堂に入った。



店の前では、肉を炭火で焼いていて、肉が焼ける香ばしい香りが鼻を通ってそのままガツンと胃袋にディープインパクト。



(席に座る前から美味しい店じゃん)


(黒板のメニューは、と、、なるほど漢文読解だな)



「すみません。これとアレください」



慧は黒板の前で、ゆび指しオーダー完了。



注文内容;竹筒飯チュウトンファン炭烤雞腿タンカオチートエ



炭火で焼いた鶏のモモ肉は、台湾の甘めの醤油ダレがよく絡んでいて、辛味がパシッとくる花山椒がふりかけてあり絶品だった。


更に、竹の筒で炊いた飯には独特の風味があって、これもまた日本では出会うことがない一品だった。そして、何故か慧には懐かしい思い出の味のような気がした。



(なんだこれ?食べたことないのになんだか懐かしい味。不思議すぎだろ)



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昼飯を終え、村の坂道を歩いていると、塀の上には素焼きの水瓶のような壺が並んでいる。

どうやら、この村のイメージを訪れた観光客に演出するオブジェのようだった。



そのレンガ色の壺を眺めているうちに、その形と色がまたもや懐かしいような気がした。



(妙だな。この村に来たのは今回初めてなのに、なんでも懐かしい気がする。こんな気持になることは今まで一度もなかったが、、)


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