第15話 記憶は戻らなくても

 農村に来てからのマエルは、得意の土魔法を駆使して土地の改善を始めた。

 マエルには、どんな土がどんな作物の生育に向いているかが分かる。

 領主邸の書庫にある農業関係の書物の情報も、マエルは楽に記憶することができた。

 それは、虹の橋の番人が、農村を守り続けたトラへの御褒美として付与してくれた能力である。

 痩せていた土地はマエルの土魔法によって改良され、柔らかくて養分を含んだ土が作られた。


「領主様、ありがとうございやす」

「見て下せぇ、麦がこんなに実りやしたよ」


 マエルは前世と同じく、農民たちから感謝される存在となっていく。

 父親に追放されたことなど、もはや全く気にならなくなった。

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