第16話 厄介な雑草

 肥沃な大地に変わったマエルの領地が、収穫期に近づいた頃。

 麦畑を見回っていたマエルは、見慣れぬ雑草がはえていることに気づいた。

 生き物のように動く漆黒の蔓草。

 蔓草はウネウネ動いて近くの麦に絡みつき、締め付け始めた。


(雑草型の魔物? 放置していたら麦が枯れちゃう!)


 マエルは慌てて雑草に駆け寄った。


「スファネ(枯れろ)!」


 両手で掴んだ黒い蔓草を睨み、魔法を発動する。

 それは、植物に作用する土魔法だった。

 除草剤と違って付近の作物には影響しないので、麦畑の中でも使える。

 蔓草は瞬時に干からびて、ボロボロと崩れて散った。


(あっちにも!)


 ホッとしたのも束の間、隣の畑にも黒い蔓草が蠢いているのが見えた。

 その畑はタゴサクのものだが、彼に除草魔法は使えない。

 マエルは隣の畑へ走り、蔓草を枯らした。


(まだいる!)


 見回せば、他にも黒い蔓草が視界に入る。

 マエルは必死で除草魔法を使い続けた。

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