第13話 屋敷精霊プリュネ

「新たな主マエル様、どうぞお入り下さいませ」


玄関の扉の前まで来ると、女の子の声がして扉が開いた。

上がり框に、梅に似た赤い花柄の着物を纏った1匹の猫が座っている。

猫といっても二足歩行を常とする体つきになっており、正座してマエルを迎えていた。


「私は屋敷精霊のプリュネと申します。本日よりマエル様にお仕えして身の回りのお世話をさせて頂きます」

「よろしくね、プリュネ」


この世界の住人は猫耳と尻尾をもつ獣人で、完全な猫の姿は神々または精霊の証だと言われている。

古い屋敷には精霊が守護につくことを知っているので、マエルはプリュネを見てもそれほど驚かなかった。

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