第10話 虹の橋のたもと
ペットはその命を終えると、虹の橋のたもとで飼い主がくるのを待つという。
「トラ、あなたの飼い主は異世界へ転生してしまったので、ここへ来ることができません」
虹の橋の番人が、諭すように穏やかな声で告げる。
トラは、虹の橋のたもとで待っていても、吾作には会えないと知らされた。
虹の橋に目を向けると、飼い主と寄り添いながら嬉しそうに渡っていく犬の姿が見える。
(飼い主よりも先に死んでいれば、あんな風に仲良く天国へ行けたのに)
トラは羨ましく、切なく思った。
そして、ひとつの願いが浮かんだ。
「飼い主が転生した人の近くに、転生させてもらえませんか?」
「おじいさんの転生者は前世の記憶が無いので、あなただと分かりませんがいいですか?」
「構いません」
たとえ前世のことを覚えていなくても、おじいさんの生まれ変わりに逢いたい。
トラは転生を願い、虹の橋の番人はそれを受理してくれた。
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