第2話 警戒心の強い野良猫
トラは、のどかな農村にふらりと現れた野良猫だった。
来たばかりの頃は荒んでいて、人の姿を見ると「シャーッ」と威嚇していた。
近寄ろうとせず走り去るような猫に、餌をあげる人はいない。
トラは自給自足のため、農家の納屋に忍び込み、ネズミを狩って暮らしていた。
いつものように農家の納屋に忍び込んでネズミを捕らえたトラは、納屋の片隅にお茶碗とお椀が置かれていることに気づいた。
覗いてみると、お茶碗には魚に似た匂いがする粒々が、お椀には綺麗な水が入っている。
(こんなところに食べ物と水を置くなんて、食べられても知らないぞ。ネズミに食べられる前に、食べてしまおう)
そう思ったトラは、お茶碗に入ったカリカリをペロリと平らげた。
代わりに、仕留めたネズミを1匹、お茶碗の前に置いて帰った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます