【お題フェス・祝い】豊作祝いはかつおぶしごはん
BIRD
第1話 金色の稲穂
収穫間近の稲田。
豊かに実る穂が風に揺れ、金色の波となる。
稲穂に似た毛色の猫を抱き、農夫の老人は満足そうに微笑んだ。
「どうじゃ、立派に実ったろう? お前さんが頑張ってくれたおかげじゃよ」
一面に広がる稲穂を眺めて、おじいさんは言う。
褒めてもらえたことが分かるのか、猫は嬉しそうに目を細めた。
「ほれトラ、新米じゃよ。鰹節をタップリかけておいたぞ」
無事に米の収穫を終えると、おじいさんは猫にも白飯をふるまった。
ふんわりした鰹節に覆われた白飯は、ほんのり甘くて温かい。
トラと呼ばれるオス猫は、キャットフードよりも、こちらの方が大好きだ。
収穫祝いのときだけふるまわれる特別な「猫まんま」は、トラにとって御褒美であり、御馳走でもあった。
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