アニメファンなのよ

 今日は、デート。


 彼は、純粋な心の持ち主。

 まだ、少年の様だ。


 そこが、大好きなんだけどね。


 街に出て、映画を見て、美味しいものを食べる予定。


 駅のホームで、街行きの列車をふたり待っている。   


 突然、彼の目が向かいのホームに釘付けになった。

 

 向かいのホームには、

 春風に、フワリと揺れるスカート。

 私とは似ていない、長い髪の可愛らしい女性の笑顔。

 彼を見つけて上げかけた手。

 

 隣の私の姿を見て、笑顔とあげかけた手が、凍りく。


 手を降ろしたその可愛らしい顔が泣き顔に変わりかけた時、赤い列車がホームに滑り込んできた。


「ねえ、さっきどうしたの?一瞬、ボウッとしてたわよ」


 あの可愛らしい彼女を見てたでしょとは、言わない。

 私は、ずるい女の子。


「ああ、今から映画を観るから、昔、観た映画を思いだそうとしていた」


「どんな映画だったの?」


「それが、思い出せないんだ。恋愛映画って、映画館を出ると、忘れてしまう。誰と行ったのかも忘れてしまった」


 彼は、少し忘れっぽいタイプ?


 今日、ふたりで観る映画は、彼の大好きなアニメ映画だ。


「アニメは、大好きだから。きっと今日の映画を君と観た事は、これからずっと忘れないと思う」


 私も今日からアニメファンになる予定。

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