確認中 その1

「この写真の彼女って、可愛いよな。俺のタイプだよ」


「そうなの」


 ここは、駅のホーム。

 なのに、大きな声で私に話かけてくるこの男子は同級生。

 毎日、同じ駅から通学する。


 同じ中学出身なのに、高校になって初めて知った。


 同じクラスになって以来、何故か、私を見つけると近付いて来て、私には興味の無い事でもお構いなしに、喋り出す。


 通っている学習塾に頼まれ、一度だけモデルをした看板が、最近、駅のホームの壁に張り出された。


 この男子がタイプだと言っている女の子は、本当は私。

 カメラマンが、きっと魔法使いなのだろう。

 看板の私は、とても自分と思えない程、可愛い女子高生に変身している。


 友だちだって、しばらく、私だとは気付かなかった。

 こいつなら、永遠に気付かないだろう。


「良かったわね。タイプの彼女が見つかって。でも写真写りが良いだけで、本当は可愛くない普通の女子高生かもよ」


「そんな事はない。本物だって可愛いさ」


 何故か、私の頬が熱くなってくる。

 こいつ相手に?


「はい、はい。本物も可愛いと良いわね」


「可愛いさ、だって、今も確認中」 






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