恋の途中の曲がり角
@ramia294
確認中 その2
駅のホーム、
壁の看板。
私が、昔、通っていた学習塾の広告看板の写真の中、楽しそうに笑っている女子高生。
『実は、私』
あの頃、
頼まれて、こっそりとモデルになった。
友だちに、これ、私だと教えると、
「プロの写真家ってエグいくらいの技術があるのね。何処のアイドルかなと思うもの。まさか、まさかの腕ね」
それって、ほめられているの?
それって、けなされているの?
とにかく、あれからずいぶん時間が経って、私は、もうふたりの娘を授かった。
なのに、何故か、学習塾の看板は、以前のまま。
たしかに、今でも子供たちがたくさん通っている様子。
経営は、順調らしい。
良い事ね。
でも、何故、看板が昔のまま?
今、看板の側を通っても、写真のモデルが私とは、誰も気付かないと思うわ。
まあ、あの頃から、気付く人は少なかったけどね。
あっ!
昔、ひとりだけ。
写真の私に見とれていた同級生男子がいたわね。
「この写真の彼女、可愛いな」
今も、そいつは、看板の近くを通るたび、私と写真を見比べる。
「昔から、カアチャンは、少しも変わらないな」
ニヤける顔のあの頃の同級生、
娘たちの父親。
私の夫。
まあ、この写真がきっかけで、恋が始まったのだから良いとするか。
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