第5章

 横に居たシジミさんが四回目の溜息をついた頃、オジョ―サマとやらはシルクで遊んでいた。

 シジミさんは僕より前に連れてこられたらしく、どうやら僕と同じ生きもののようだった。僕より年上のシジミさんは、毛の色が灰色で、優しくて頼りになるお姉さんだ。

 シルクは僕より一年ほど後にここにきた。耳が垂れていて鼻が突き出ており、毛が黒くてやたらふわふわしている。僕の二倍くらい背が高く、歯がとても鋭い。よく大きな声で騒ぐので、僕はあんまり好きじゃない。

 オジョ―サマの一番のお気に入りの我慢強いシルクは、よくターゲットにされる。今日も朝から首やら足やらに色とりどりの布をとっかえひっかえ巻かれている。シルクはもはや抵抗する気をなくして大人しく動かないで静かにしている。

 僕たちは黙ってそれを見ているだけしかできない。

 そういえば前にはもう一匹こいつのおもちゃがいた。クロトと呼ばれていた白くて羽の生えた小さな生きものだ。よく、聞こえてくる音をマネしてはまわりを驚かせていた。半年ほど前に屋根に吊り下げられ、ひもをちぎって逃げていった。

 あのひらひらした美しい生き物を思い出す。僕も空が飛べたらよかったのに。

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