12月18日『西暦一億年神田川』

川面にまっすぐ

突き刺さる柱たち

何千年も何万年も

流れてくる枯れ草を受け止めて

墓標のように突っ立っている

その水底の卵だ……

小魚のぎょろりとした眼だ……

藻のすきまの泡だ……

そして地球そのものだ、まるく胎動するのは

 

ひとつの水分子が地球を何周もするうちに

コンクリートの柱は朽ちてしまった

その残骸を川はこぽこぽと滑り降り

墓標のために歌を歌った

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