12月10日『僕の落下が街にあかりを灯す日』

 君の落涙で水車が回る。その電気が僕の人工心臓を駆動しているのだと知った。またあるときには鼓動でモールス信号を刻んで、君の気を引こうだなんて思っていた。

 恋がしたいんだ、それでも。とうとう僕は屋上のこんな縁まで来てしまった。胸が苦しくてたまらないよ、君はもう遠くに行ってしまって、誰の涙が僕を生かすのだろう、恋をするたびに僕は君を傷つけるんだ。僕の体の六割は水でできていて、僕は落下を始めそうになる。それでも、僕は恋がしたいんだ。

 恋をするんだ。

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