11月20日『傘』
雨の中傘を差さずに帰るということ
叶わない夢を見続けるということ
ぬらぬらと光った路面に私の影が映る
あなたがくれた短い手紙はポケットに入れたまま
あなたの傘を拾った
手が震えてうまく巻けなかった
あなたの目のような宝石を拾った
その瞳に世界中の雨が乱反射している
僕はあなたの傘を持ってただ
車が水を跳ねる小気味よい音を聴いて
これが恋なのかなんなのか分からずにいる
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