私がヒロイン!?第二弾

⭐︎Ryua⭐︎

第1話

千秋は突然、いおりの告白に言葉を失った。思わず手を振りほどこうとしたけれど、いおりの手は強く、でも優しく彼女の手首を握っている。

「…え、えっと…」千秋はどう反応すれば良いのかわからず、焦りながら顔を赤くした。

「返事は、ないの?」いおりは静かに尋ねた。その声には、いつもの冗談のような軽さがなかった。

千秋は視線をうろうろさせながら、頭の中で整理をしようとした。でも、すぐには言葉が出てこなかった。だって、いおりがまさかこんなことを言うなんて思ってもいなかったから。

「…え、いおり…なんで急に…?」千秋がやっと口を開いた。

いおりは少しだけ肩をすくめて、笑みを浮かべた。でもその笑顔はいつもと違う、少し照れくさいような、真剣なものだった。

「別に急でもないし、ずっと前から思ってたことだよ。」いおりは千秋の手をもう一度強く握った。

「だけど…千秋、気づかなかっただろ?」いおりは目を見つめながら続けた。「お前、他の女と一緒にいるとき、すっごく楽しそうだし、でも俺の前だとどこか遠慮してるみたいで…なんか、俺、もどかしいんだ。」

千秋は一瞬、言葉を詰まらせた。その言葉は、彼女の胸にじんわりと響いた。そうか、いおりはこんな風に自分を見ていたのか。いつも一緒にいるけれど、どうしても自分は「友達」以上にはならないと思っていた。でも、もしかして…その「友達」から一歩踏み出したいと思ってくれていたのか?

「でも…でも、いおりって、あんなにモテるし、私なんか…」千秋はまだ不安があった。いおりは学校でも有名なイケメンで、みんなから注目される存在。自分みたいな田舎者が、そんな彼に相応しいわけがないと思っていた。

「千秋、お前はそういうの気にするけど、俺は関係ない。」いおりは真剣な顔で言った。「お前が俺のことをどう思ってくれてるか、それだけが大事なんだ。」

その言葉に、千秋はまた固まった。しばらく無言で立ち尽くしていたが、やっと息を吸って、顔を真っ赤にしたまま言った。

「…好きだよ、いおり。」

その一言が、二人の間にある全ての距離を一気に縮めたような気がした。いおりは顔を赤くして、千秋の手をぎゅっと握り返した。

「よかった。」いおりは、いつものように少し笑ってから、真剣な顔で続けた。「じゃあ、これからは…俺と一緒に帰ろう。」

千秋はそれを聞いて、はじめて本当に安心したように頷いた。そして、二人は並んで歩き出した。少し照れくさい空気が漂う中、夕焼けに照らされながら歩いていく。

――やっと、これからは二人で歩いていけるんだ。

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