第3話
その日は良く晴れた冬の日でした。
寒い日が続いているからか最近はずっと快晴に設定されていて、そろそろ雪なんか降ってもいいのになぁ、なんて思ったのを覚えています。
「ほんっと~にごめんね二人とも!」
ずぶ濡れになった私とルノくんに、上司の方が申し訳なさそうに頭を下げています。
担当の業務がひと段落し休憩室でココアを飲んでいると、たまたまルノくんもコーヒーを淹れに来たのでした。
そのまま休憩室でお話ししていたところ、上司の方が誰もいないと思い込み超強力!瞬間室内お掃除ボムを投げ込み、休憩室と合わせて私たちも綺麗にされてしまった、というのが事の顛末でした。
「問題ないです!」
「ごめんね~、もう今日は上がってもらっていいから!」
「いいんですか?今日僕が担当する方はまだいらっしゃると思いますが……」
「大丈夫大丈夫、元々年末だからMIMETIC定期メンテナンスのために多少の欠員はカバーできるように動いてるからね」
「あぁなるほど」
最後にもう一度ごめんね、と謝って上司の方は作業場へ向かっていきました。
残されたのは、ずぶ濡れの身体がふたつ。帰宅許可が出たものの、このまま動き回るわけにもいかないのでとりあえずタオルを探しに行こうと声をかけようとして。
「へくしゅっ、んん、すみません失礼しました」
「大丈夫?このままだと風邪ひいちゃうね」
「だいぶ濡れちゃいましたもんね、タオルで多少はマシになると良いのですが」
体温の低下からか、くしゃみをした私をルノくんは心配そうに覗き込んできます。その距離が思ったよりも近くて、私は思わず一歩後ずさってしまいました。
そんな私に気づかないまま彼は顎に手を当てて少し逡巡したのち、ニコリと笑いながら口を開きました。
「……良かったら僕の家、来る?シャワーくらい浴びていきなよ」
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