後日談

 冬が終わり、暖かな陽気を感じられるようになった。

 外の森や平原ではどこか生き生きとし、きらめきはじめている。

 あの日からマヤはさらに魔術の研究に没頭した。毎日毎夜ずっと研究し続けた。我を忘れるほどに。

 ただそれは研究に夢中だったからだけではなかった。以前はそうだったが、今は不安をかき消すためにしていたような気がする。

 あの子達は無事だろうか……

 テーブルの上で魔法陣を丁寧に描きながら、そう思うと、

「マヤちゃーん!」

 外から聞こえてきた。

 ハッとした。そしてペンを置き、勢いよく家を飛び出した。

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魔女と黒猫 内井希 @udontamago1111

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