ウチの押しに勝つなんて、最初からムリ!

「そだよ? だって、せっかくだし……着替えてるとこも、見たいじゃん♡」

 ってウチがさらに追い詰めたら、怜くん、もう完全に追い込まれちゃって、

「そ、それは……ほんとに、ムリ……ねえ、許して? お願い……」

 って、涙目で懇願こんがんしてくるの。

 赤くなった耳まで震えてて、ヤバいくらいにカワイくて、ウチの心臓はもうさらにバックバク♡


 で、ウチもさすがにちょっとだけ、かわいそうになっちゃったから、

「じゃあ、今すぐ着替えてくれるなら……後ろ向いててあげる♡」

 って、すこーし、譲ってあげた。

 やーん、そんなウチ、やさしー! 自分でもホレちゃうくらい♡


 それで怜くん、やっと完全にあきらめてくれたみたいで、

「……分かった……今から、着替える……」

 って、小さな声で言って、その場で着替え始めた。

 ふっふっふ、ウチの本気の押しに勝とうなんて、最初からムリな話なんだよ?


 後ろ向いてるけど、ウチの耳はちょー敏感びんかんだから、布がすれてくる音が、全部聞こえてくる♡


 怜くんがベルトを外す音、ズボンを下ろす音、パンツをゆっくり脱ぐ音……

 そういう音から、怜くんの姿を想像するだけで、もうウチの全身が、キュンキュンして熱くなっちゃって、こっそり太ももをギュッとしめて、我慢してた♡



 そんな怜くんが今、下着姿になってるんだろうなーって思ってたら、ウチの頭に、ふっと昔のことが浮かんできた。


 そう、あれは怜くんが高校三年生になったばかりの、五月の頃――



 ウチはもう、専門学校を出て、無事働き始めてて、一人暮らしもスタートしてたところだった。


 もちろん、ウチが一人暮らしを始めたばっかりの時に、怜くんには、結婚を宣言しといた!

「怜くんが十八歳になった日に、絶対ぜーったい、結婚しようね?」

 って言ったら、怜くん、真っ赤になってうなずくだけで、言葉が出ないみたいだった♡

 その様子がかわいらしすぎて、ウチ、思わずギュッて抱きしめちゃった!

 そしたら怜くん、ウチの腕の中でブルブル震えてて……もうあの時の怜くんも、最高にカワイかった!


 で、二人の愛情を、しっかり確かめたところで、

「じゃあ、怜くんのご両親にもごあいさつに行きましょ?」

 ってウチが決めて、怜くんのお家に乗り込んでいったんだー♡


 それまで、ウチがまだ学生だった頃、何回かご両親にはお会いしてたんだよ?

 だけど、その頃は、ウチも完全にギャルモード全開だったから、すっかり社会人っぽい外見になったウチを見て、まずはご両親、メッチャ驚いてたみたい!


 あ、でもでも、中身は当然、こんなギャルのままだったけどね?


 そんな中身ギャルのままのウチだから、もう、最初から本題ぶつける作戦!


 いきなり、リビングの床にさっと正座して、ソファに腰掛けてるご両親に対して、頭を深ーく下げて、

「息子さんを、私にください!」

 って、ズバリ宣言しちゃった♡


 ご両親からしたら、つい最近までギャル全開だった子が、カッチリした服装で現れて、いきなり土下座みたいな姿勢で、結婚宣言!

 ウチの強烈きょーれつ先制せんせー攻撃に、ご両親、完全にやられちゃった感じ?


 それでもやっと、怜くんのパパが、

「本当に、この息子でいいんですか……?」

 って、ちょっと困った感じに聞いてきて、怜くんのママも、

「そうよ、あなたまだお若いんだし、後悔しない?」

 って、心配そうに言ってきた。


 肝心の怜くんは……チラッと見たら、真っ赤になってうつむいてるだけだったけど♡


 でもウチからしたら、怜くんのご両親って、この世にウチのいとしの怜くんを誕生させてくれた、とーってもとうとい存在なわけ!

 だからこそ、怜くんとの結婚については、なーんにも譲るつもりなんてなかったの♡


 そこでウチは、そんな想いを全部伝えたくって、バッと顔を上げて、まずは怜くんのママに、

「怜さんのお母様、この世に怜さんを産んでくれて、本当にありがとうございます!」

 って、心からの感謝を伝えて、次に怜くんのパパには、

「怜さんのお父様も、こんなに怜さんをカッコよく作ってくれて、それで、やさしく育ててくれて、うれしいです!」

 って、めっちゃ感動を込めて言ったんだー♡


 ご両親、最初はポカーンとしてたけど、ウチの本気と、怜くんへの愛が、ビシビシ伝わったみたいだった。


 それで「これはイケる!」と確信したウチは、とどめの一撃をブチかましてあげることにした!

 ウチはもう一度、頭を下げて、

「怜さんは、必ず私が……幸せにします!」

 って、ズバッと、宣言してあげた。


 ご両親は、完全にヤラれちゃった感じで、

「幸せにするとかそういうのは、男が言うもんだし……」

 とか何とか言ってたけど、そういう常識ってのは、ウチには通用しない!


 で、最後には結局、ご両親も、

「どうか……怜を幸せにしていただけるよう、よろしくお願いします……」

 って、言わされちゃってて、それで、ウチらの結婚を、笑顔で許してくれたんだよね♡


 あの時の怜くん、その場で何も言えずに、ご両親の隣で真っ赤になって震えてたの、今でも思い出すとニヤニヤしちゃう♡



 ……って、思い出にひたってたら、怜くんの着替えの音が、少し変わってきた。

 きっと今、Tバックの細いヒモが、怜くんの華奢きゃしゃでカワイイ両脚を、上がってってるとこかな?


 ウチの想像がどんどんふくらんで、もー我慢の限界♡

 怜くん、早く見せて?

 カワイイ夫の、新しい姿……楽しみすぎてヤバいよ♡

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