第2話 元高校生は赤子として




俺は元高校生の染夜莉央しみやりお。今は異世界でしがない赤ちゃんをやっている者だ。


……意味わからん、事もないんだよなぁ。

記憶を整理していくうちに分かってきた事もある



とりあえず俺はこの世界に転生した、魔法や剣で魔物やら人と戦うような世界に。


のだ。


俺はこの世界に望んで転生した……はずだ、、、



経緯になるかは分からないが覚えている事は少しだけ。


学校での終業式が終わり、早く帰ってきて暇だったから、家で異世界もののアニメを観ていたら、急に部屋が霧に包まれ声が聞こえてきた。


誰かに色々言われた気がするけど、はっきり覚えてるのは……

『こちらの世界なら……君は、何にでもなれる』


そんなことを、言われた気がする、、、


いきなりすぎた、普通なら現実か疑ったり、異世界との生活を天秤に掛けるだろう。


でも俺にはそれを断る理由もなかった。


その後すぐ、変な空間に飛ばされて一通りこの

世界の説明を聞かされた。


俺以外にも人がいたような気がする、、、けど顔も声も何一つ思い出せない。


説明も少ししか覚えれていない。


いや、あまり考えなくても良いかもしれない、、、


……だって、やる事は決まってるのだから。


せっかく異世界来たんだ、知りたいこともやりたいことも溢れてる。


そして、俺は誰よりも早く努力して強くなる、そうなりたい。


努力はきっと裏切らない筈、この世界ならきっと凄いアドバンテージになる、、、はずだ。


「あう!」


赤子の時から努力し続けたら最強になれるかもしれん。


それに、この世界ならやり直せるかも知れない。


今のままだと何もわからないし、何か良いもの無いかな?


例えば本、この世界の常識やら知りたいし……なにより魔法が見たい。


そこらへんに魔術指導の本とかないかな?


そして普通なら、ここから赤子とは思えない行動で大人たちを驚かす事になるんだろうけど、、、


生憎動けん、生まれたばっか過ぎて体が一ミリもいう事を聞かない。


首が据わっていせいで、寝返りすら難しい。


赤子から転生ってこんな不便だっけ、


そこからはこの体で何か出来ることはないか、と試行錯誤を繰り返した。


どれだけやってもジタバタしてる赤子でしかなく、


どうしようもなくなって、少し休んでいるうちに俺は寝てしまっていた。



気づけば、扉の向こうから足音が聞こえてきた。


音で目を覚ますと、部屋の明るさが朝とは変わっていた事に気づいた。


寝過ぎた、いや赤ちゃんに寝過ぎたとかないか。


それより人が来る、まぁどうせ家族の誰かだろうが、


そして扉が開かれ二つの足音が近づいてくる。

……天井しか見れないから怖いなこの瞬間、


「エリオ?」


少し身構えていたが、母さんの声ですぐ安心した


「うあぁ?」


その安心も束の間、俺の体は勢いよく持ち上げられた。


抱き上げられたとかではない、そんでもって体が小さいからかジェットコースターに乗ってるか錯覚するくらいの浮遊感を感じた。


「あ、あう!」

「あなた!エリオちゃんを雑に抱かないで!」


あ、あなた!?

じゃあこの人が俺の父さんってこと?


「あぁすまんすまん、にしてもまだまだ小さいなぁ」

「当たり前でしょ!エリオちゃん産まれたばっかなんだから、」


産まれたばっか、、、首据わってない時点で察してたけど、てかお父さんデカくね?


「エリオ〜早くでかくなってくれよ〜」

「もう、あなたはエリオと狩りに行きたいだけでしょ?」

「息子との狩りは父の夢なんだよ」

「あう!うあ!」


狩りだと?俺も狩りしたい!


何狩るんだろう、異世界関係なくそういうの憧れてたんだよな。


「ほら、エリオもしたいって」

「言ってない〜!」


これに関しては言ってます母さん!



ぐぅ〜


突如部屋に響き、腹の虫が空腹を知らせてきた。


「……ご飯食べよっか」

「……うん」


そんな事を言って最後には笑って、俺をベッドに寝かせてから部屋を出て行った。


きっと良い親になるな、今まさに俺の親なんだけど。


また暇になった……体の動かす練習でもするか?

……出来る事あるかは分からないけど、


そう思った矢先、母さんが部屋に戻ってきた。


「エリオちゃんもお腹空いてるの忘れてた!今日はぐっすりだったから、まだ飲んでないよね」


確かに、そう言われるとめっちゃお腹空いてきた

……でもそれって、


「エリオちゃん中々泣かないから忘れちゃうのよね〜」

「あうわぁ、、、」


そう言いながら服をはだけさせ、乳房が露わになる。


……分かってたけど、こうなるよな。


でもこれは赤ちゃんとしての義務、


……考えるのはやめよう。

今の俺は、ただの赤ちゃんなんだから。






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