勇者として転生した俺達、俺1人だけ才能皆無だったので試行回数で巻き返そうと思う。
しゃけマンタ
第1話 赤子転生
……もし、あの頃に戻れたら……もし俺に力があったら何か変わったのかな、
そんなことを考えても無駄なのに……朝は嫌いだ、嫌なことを思い出すから、自分が一人だと再認識する時間だから。
……今日、学校ないよな?
昨日は確か終業式で、少し早く帰って――
……とりあえず起きてご飯でも食べよう。
「…んん、あうぅ、」
……なんか、赤ちゃんみたいな声した?
それに、なんだか起き上がろうとしても体が言う事を聞かない。いや、正確には起き上がり方を忘れてしまった様な感覚だ。
ひとまず体を起こすのを諦め、原因を探ろうと、重い瞼をこじ開け周りを見渡す。
……ここ、どこだ?
目の前は間隔が広い木の柵の様なものがあり、その隙間から見える木造の部屋は俺が普段起きて見る光景とは似ても似つかなかった。
……うそだろ、誘拐でもされたのか?
もう少し探ろうにも頭は上がらないし、何故だろうか寝返りも中々うてない。
やっとのこと体が動いたと思ったら、仰向けに転がり動けなくなった。
俺の体どうなってんだ? このままじゃ何も出来ないぞ。
生まれてこのかた感じた事のない不自由感、でもなぜか懐かしさはあった。
……そ、そうだ! 腕なら動かせるんじゃ?
そう思い、両手を顔の目前まで持ち上げる。
これも中々大変だったが、なんとかなった。
ふぅ、腕が動くならやりようはある……な?
腕は動かせる、そう思った途端目に入った自分のものとは思えない腕に驚愕した。
……なんだこれ、ちっさ! てかぷにぷにしてて丸っこいんだけど、これほんとに俺の腕か?
まるで赤子の手、ていうかそのまんま赤ちゃんハンド。
も、もしかして俺、変な実験でもされたのか?
今は麻酔が効いてて体が動かないみたいな、、、
理解が追いつかない。
それだけで、十分すぎるほど怖かった。
だがその直後のこと、恐怖を吹き飛ばす様に勢い良く部屋の扉が開かれた。
「おっはよー!」
元気溌剌な女性の声、先程までの俺の感情とは
ギャップが凄すぎて恐怖が引っ込んだ。
でも聞こえるのはその女性の声だけ。視線は動かせず天井しか見えないまま、足音だけが迫ってくる。
「うーん、今日も泣かないわね〜」
声のトーンは相変わらずで近づいてくる。
……な、なんかまた怖くなってきたかも、
「ん? どうしたのー?」
優しい声色でそう聞きながら覗き込んできた。
視界いっぱいに、知らない顔が現れた。
思わず声が漏れてしまう。
「……あう?」
そんな俺も見てか、その人は心配そうに俺を抱き抱えた。
おぉ?……なんか俺ちっちゃくね?
「ん〜、やっぱり可愛いね〜!」
「あ、あぅぅ、」
抱き抱えられた事で更に近くなった顔。こうして見ると、かなり整った顔立ちをしているのが分かる。
てか眩しい、そんなキラキラした顔で見ないで。
「今日はパパが帰って来るからね」
「あう?」
パパ?
……待ってくれ、その言い方だとあなたが俺の母さんみたいじゃないか。
「良い子にして待ってようね、エリオ!」
エリオ。呼ばれた瞬間、心臓が大きく脈打った気がする。
……エリオ? それが、俺の名前?
いや違う、俺は……染夜、、、染夜莉央?なはず、、、
胸の奥で何かがほどけていく感覚があった。
………いや、そうか。俺は
思い出していく自分の記憶。
確か俺は転生したんだ、本当に、、、この異世界に。
「エリオちゃん?」
「あっ、あう、」
「お腹空いてるのかなぁ?」
じゃあこの人がこの世界の俺の母親……って、
なんでこの人脱いでんの!?見える、見えるって!
……もしや、これってそういう流れか?
ぜ、全然お腹空いてないです、ほんとです!
「おっぱいですよエリオちゃ〜ん」
「あ、あうあうあう!」
「わっ、どうしたの?」
慣れない赤子の体で全力の拒否、今はお腹満たしてる場合じゃない。
「お腹空いてなかったのね、ごめんね?」
「……あ、あうぅ」
つ、疲れた。赤子の体を行使するのはこんな疲れる事なのか、、、
「あっ!今日は買うものがあるんだった!エリオちょっと待っててね!」
そう言うとその女性、、、母さんは部屋を出ていき、そのすぐ後に壁の向こうから扉の開閉音が聞こえた。
急に一人になって心細い感覚もあるが、今はこれで良い。整理したい事が多すぎるからな、
ひとまず、、、俺は念願の異世界転生を果たしたのだ
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ちょっとしたあとがきです!
まずは読んでくれた方、ありがとうございます!
拙い文章で読みにくい場所もあるでしょうが、温かい目で見守ってください。
一応大体のシナリオは考えているのですが、更新は安定するか分かりません。
ご了承のほどお願いします。
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