第52話 ### :集結!最後の火花
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### **第34話:集結!最後の火花**
大晦日。日本武道館の裏側は、異様な熱気に包まれていた。
絵里奈と詩織、そして彼女たちを支えるスタッフ、さらにはシークレットゲストとして参加する『サステナ』と『Emotion』のメンバーたち。皆がそれぞれの緊張と期待を胸に、最後の時を待っていた。
ステージでは、照明や音響の最終チェックが行われている。
控室では、絵里奈と詩織が、サステナのありさ、薫、そしてEmotionの二人と共に、最後の打ち合わせをしていた。
「私たちの『サステナブル・エモーション』、絶対に成功させましょうね!」ありさが、プロの笑顔で言う。
薫も、「私も、Emotionのみんなも、全力でサポートするからね!」と意気込んだ。
絵里奈は、皆の顔を見渡し、深く頭を下げた。
「ありがとうございます。私たちだけじゃ、ここまで来られませんでした」
その時、詩織が、ふと、あることに気づいた。
彼女は、リハーサル中の映像が流れる小さなモニターを指さした。そこには、ステージ上で最終調整を行う、音響スタッフの姿が映っている。
「ねぇ、絵里奈ちゃん」
詩織が、真剣な顔で絵里奈の袖を引いた。
「**あれ? あの人…あれだよ?**」
詩織は、モニターを指さしながら、何かを言いかけた。しかし、言葉が途切れる。
絵里奈は、詩織が何を言いたいのか分からず、首を傾げた。
「あれ? なによ?」
その時、詩織は、モニターに映るスタッフの足元に、ハッと気づいた。
**「あれ! 足元に、ワイヤーが…!」**
詩織は、興奮気味に叫んだ。
「あの、ワイヤーアクションの! **年末の賞レースで戦った、あのライバル! Branchの二人のスタッフさんだよ!**」
詩織の指さす先、モニターに映っていたのは、かつて『TwinSpark』と激しい賞レースを繰り広げたライバルユニット『Branch』のメンバー、その二人だった。彼らは、完璧なスタッフのユニフォームを着て、ステージの床に張られたワイヤーの最終チェックを行っている。
一瞬の沈黙。
その場の全員が、詩織の言葉の意味を理解し、**固唾を飲んだ。**
(あのBranchが、今、自分たちのライブの裏側で、スタッフとして働いている…!?)
ありさと薫の顔から、笑顔が消えた。Emotionの二人も、驚きを隠せない。
絵里奈の顔には、複雑な感情が入り混じっていた。
しかし、次の瞬間、ありさが、不こらえきれないように吹き出した。
**「はははは! マジかよ! あいつら、本当に、スタッフになってるよ!」**
ありさの笑い声につられて、薫も、そしてEmotionの二人も、**大爆笑し始めた。**
「**ね? 何で下着、?枕するの、!**」と、以前のジョークが蘇る。
**全員、大爆笑!**
絵里奈もまた、そのあまりにも皮肉な現実に、乾いた笑いを漏らした。
(あの、テクノロジーと欺瞞で私たちを追い詰めたはずの Branch が、今、私たちのステージの裏側で、**そのテクノロジーを駆使して、私たちを支えている**…)
詩織だけが、何がそんなに面白いのか分からず、キョトンとしていた。
「え? でも、あんなにすごかったのに、どうして…」
ありさが、笑いすぎた涙を拭いながら、詩織の肩を叩いた。
「詩織ちゃん…あんたのせいで、また小百合の仕業がバレちゃったじゃない」
この光景は、小百合の支配が、如何に多くの人々の夢と尊厳を弄んだかを示す、生々しい証拠だった。
しかし、その全てが、今、笑い話となって、この武道館のステージの裏側で、一つに結実しようとしている。
『TwinSpark』の最後のステージは、ただの引退公演ではない。
それは、犠牲となった者たちへの鎮魂歌であり、そして、**欺瞞に満ちた世界への、壮大な、そして、涙と笑いに満ちた「反撃ののろし」**となるのだった。
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