第14話『閲覧注意』
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**小説『サスティナブルEmotion』 閲覧注意**
ドアが閉まり、編集者さんの足音が遠ざかると、スタジオには重苦しい静寂が訪れた。
先生は、手に持ったノートをギュッと握りしめ、眉間に深いシワを寄せて私たちを凝視した。
「君たち!」
いきなりの大声に、私たちはビクッと肩を震わせた。
怒られる? 字が汚すぎた? それとも、内容がつまらなくて失望された?
不安が頭をよぎる中、先生はノートのあるページをバン! と指差した。
「これは! ……いやいや、まずいだろ?」
先生の声が裏返っている。
「え……? ま、まずいですか?」
恐る恐る尋ねると、先生は信じられないものを見るような目で、再びノートに視線を落とした。
「まずいよ! こんなことまで書いてるの? ここ! こことかさ!」
先生が指差したのは、私たちが売れない時代、悔しくて泣きながら書き殴った、誰にも見せられないような罵詈雑言や、ドロドロとした嫉妬心が綴られたページだった。
「アイドル……いや、インフルエンサーとして、これはイメージ的に致命的というか……いや、それ以前に……」
先生は額に手を当て、ブツブツと呟きながら頭を抱えてしまった。
「あまりにも、赤裸々すぎる……!」
先生の顔が、少し赤くなっているように見えた。
「まずい」の意味は、私たちの予想の斜め上を行っていたようだ。
(続く)
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