第4話『まさかの逆再生』



***


**小説『サスティナブルEmotion』 まさかの逆再生**


「わたし女ですよ」


その一言で凍りついた空気の中、私たちは必死に目配せを交わしていた。

気まずい。あまりにも気まずい。でも、この独特の雰囲気、やっぱりただモノじゃない。もしかして本当に……?


私は肘で詩織を小突いた。


「ね? 聞いてみてよ! 『篠原七海先生ですか?』って」

「やだよ、あんたが! 『結婚したい』とか変なこと口走った責任取りなよ!」

「だ、だって……」


小声で押し付け合っていると、目の前の“彼女”が、きょとんとした顔で私たちをまじまじと見つめた。

そして、何かを思い出したようにポンと手を打つ。


「すると……あれ?」


涼しげな瞳が、いたずらっぽく輝いた。


「あなた達、『TwinSpark(ツインスパーク)』の2人よね?」


「「えーー!!」」


私たちは思わずハモって叫んでしまった。

まさか、私たちのことを知っているなんて?

憧れの人を追いかけていたはずが、逆に見つけられてしまうなんて。


「ま、まさかの逆再生!?」

「なんで知ってるんですか!?」


パニックになる私たちを見て、彼女はクシャッと目を細めて笑った。


「ははは! やっぱりそうだ。動画、たまに見てるよ。元気が出るから好きでさ」


爽やかな笑顔に、私たちは完全にノックアウトされていた。

もう、篠原先生でもそうでなくても、どっちでもいい。

私たちはこの人のファンだ。


(続く)


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