第9章|桜の下での再会(後編)
桜の花びらが舞い落ちる中、陽菜と海翔は並んで歩きながら、互いの近況を話していた。
「授業はどう?」
「思ったより楽しいよ。でも、やっぱり慣れないことも多くて……」
自然な会話なのに、胸の奥がじんわり温かくなる。言葉にならない安心感が、二人の距離をさらに縮める。
「陽菜、あのさ……」
海翔が少し言い淀む。
「うん?」
陽菜は微笑みながら目を向ける。緊張と期待が入り混じり、胸が高鳴る。
「ずっと言いたかったんだけど……これからも、俺の隣で歩いてくれる?」
海翔の声は低く、でも確かな決意が込められていた。陽菜は驚き、目に涙が滲む。
「うん……もちろん」
思わず答え、肩の力が抜ける。胸の奥にあった不安や迷いが、ふっと溶ける瞬間だった。
桜の枝の間から差し込む光が二人を包み、舞い落ちる花びらが周囲を優しく揺らす。
「やっぱり、ここで会えてよかった」
陽菜の声は穏やかで、笑顔が自然に広がる。海翔も同じように微笑み、互いの手をしっかり握る。
「離れていても、これからも繋がっているんだね」
「うん、ずっと」
言葉にしなくても伝わる想いが、胸の奥に温かく広がる。
二人は桜並木をゆっくり歩きながら、過去のすれ違いや不安も、すべて乗り越えたことを実感していた。
「これからも、一緒に歩いていこう」
「うん……ずっと」
桜色の光が二人を包み込み、風に舞う花びらが未来への希望を告げるように揺れる。
やがて、胸の奥に芽生えた確かな想いが、二人を前へ進ませる力となった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます