第3話 晴れ時々スライム、ところによりマンドレイク2

 今、村では深刻な問題に直面している。その理由が夜な夜な作物泥棒が出没しているというのだ。


「夕べ、田吾作さんの所のマンドレイ子が盗まれたそうだ」

「田吾作さん、マンドレイ子の事は目に入れても痛くないほど可愛がっていたからなぁ」

「でも村の衆全員で見張りを立てていたはずだろ? どうやってマンドレイ子は盗まれたんだ?」


 ゴン蔵が周りをきょろきょろと見回し、声を潜めて語りだした。


「実はここだけの話だけんど、マンドレイ子は盗まれたんじゃなくて駆け落ちしたっつう話だ」

「駆け落ち?駆け落ちだべか」

「んだんだ、こったらこと田吾作さんには聞かせらんねえべ」


 マンドレイク自身が駆け落ちで居なくなってしまうなら、見張りを立てても意味がなかった。

 しかし、村にとってマンドレイクがいなくなってしまう事は座して黙するわけにもいかない問題だった。


 そこで村は、マンドレイクの問題をリクに委ねる事にした。あのピンクのウィルオウィスプを生み出したリクの可能性ポテンシャルにかけたのだ。


「あの~、それで俺は何をすればいいでしょうか?」

「リク、これはお前しか出来ねえことだ。いいか大事な事だからよ~く聞け!」


 ゴン蔵の真剣な目に、リクも知らずに背筋を伸ばしていた。


「村の全てのマンドレイクをお前に惚れさせるんだ」

「はい??」

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2025年12月31日 18:00
2025年12月31日 23:00
2026年1月1日 08:00

雨かと思ったらスライムだった -梅雨の季節は命がけです- @nama_kemono

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