第2話 晴れ時々スライム、ところによりマンドレイク1

 今日は村のマンドレイクの収穫を手伝っている。

 マンドレイクと言ったら、異世界ものではおなじみの植物で、今からワクワクしている。


「なぁリク、マンドレイクって知っているか?」

「ああ、あれだろ?引っこ抜いた時に悲鳴をあげる、人間みたいな姿をした植物だろ?」

「おっ、マンドレイクは知っていたのか、ならその悲鳴を聞くと死んじまうっていのも知っているか?」

「あ、聞いたことあるぞ、耳を塞いでもダメなんだろ?」


 この辺の知識はオタク知識として知っていた。どんな知識がどこで役立つかなんてわからないもんだな。なんて思いながら話を聞いていた。


「ああ、マンドレイクが悲鳴を上げると村の衛兵がすっ飛んできて死ぬぞ。社会的に…」

「社会的にかよ!」


 まさかの社会的にだった!!


 俺はマンドレイクについて詳しく聞いた、万が一なにかあったら社会的に抹殺されてしまう。


「マンドレイクが悲鳴を上げるのは…」

「悲鳴を上げるのは?」

「引っこ抜いた時、全裸だからだ」

「マンドレイクって植物だよね?全裸って何?ねえ」


 俺はマンドレイクを植物だと思っていたが、この世界は違うのかもしれない。

 そんな俺を見てサムが自慢げに言った。


「リク、いつからマンドレイクが植物だと思っていた?」


 やはりか、やはりこの世界のマンドレイクは植物じゃないのか、それなら悲鳴くらい上げてもおかしくはない。


「ま、植物だけどな」

「植物なんか――い!」

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