第2話「酒場にて職を求む」

 出会いの場所、「酒場」私は飲めないけど大抵のフィクションでは色々なものがここに集まると相場が決まっている。早速店主に良い仕事はないか聞いてみる。


「親父ィ!なんか仕事ない?」


「…びっくりした!どうしたい?お嬢ちゃん、親は?」


「細かいことは気にすんな!働きたいんだ」


「そこに依頼クエストボードがあるだろ?」


 店主のおっちゃんはカウンターの横の木材のボードを指した。


「そこから依頼クエストを選んで持ってきな」


 そう言っておっちゃんは仕事に戻った。私は依頼ボードに近寄って良いのがないか吟味してみる。荷物を隣町まで運ぶ、盗賊の討伐、壁のペンキ塗りetc…。よし!壁のペンキ塗り一択だな!「壁のペンキ塗り依頼」の紙を持っておっちゃんに話しかける。


「親父ィ!これにするぜ!」


「なになに…、ペンキ塗りの仕事か。良いだろう、依頼承認!服屋のジルのところにこれを持っていけ、そしたらすぐに分かる」


 おっちゃんに依頼受託証明書を貰って早速服屋さんに行く。冒険者ギルド探しで村の様子は一通り見たので大体どこにあるか目星がついてる。


 向かう途中で君たちに自己紹介をしよう(!私は血桜零式ちざくられいしき、元の世界では高校二年生だった。今も年齢的にはそうだろう。ただ、体は変わっている。髪はロングの銀髪、目は緋色(さっき酒場の窓で自分の姿を見た)、肌は雪の様に白い。身体能力と知力は共に変化なし。持ち物はない!粗末な服だけ着せられて草原の真っただ中に素寒貧で放り出されたようだ。チキショーあのクソ女神!出会ったらただじゃおかん!


 服屋に着いた。あの茶髪のおっちゃん、略してちゃぱおじがジルさんだろうか?


「すいませーん、ジルさんはいますか?」


 服屋に入ってそう言うとちゃぱおじが振り返って答えた。


「私がそうだよ」


「あ!よかった!私依頼を受けたんですけど」


「ああ!ペンキ塗りの子かな?威勢が良くてよろしい。そこにある道具とペンキを使ってくれ」


 ペンキ塗りなんてわざわざ言わなくて分かるだろう?退屈なだけだ。結局日暮れまでかかって仕事をやり終えた。僅かばかりの賃金を貰って酒場に向かっていると質屋を見つけた。成程、あそこで何か売れそうだ。明日は何かないか近くを探してみよう。その日は酒場でパン一つ食べてテーブルに突っ伏してそのまま寝てしまった。




 

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