第2話 またリセットか、このヘタクソめ!
あれから何度かの戦闘をこなし、プリン軍にも配下が増えた。中でも、長髪の剣士クリン。コイツは、やる。少し硬さに難があるが、身のこなしは俺をも凌ぐ。エース級だ。コイツは強い。俺とコイツが現在のプリン軍の双璧だ。次いで、相棒の斧戦士ことガイ、赤のフォクスか。プレイヤーも学習したのか、じじいと緑の出番は無くなった。後はエミリ。少しパワーに難ありだが緑よりは強い。おまけに美人。無事スタメンの座を勝ち取った。
エミリと俺はペアで行動する時が多い。俺が露払い。エミリは刈り取る役だ。エミリも大分育ってきた。そろそろ独り立ちか。ん? ちょっと待て、その位置は。あぁ……エミリが、沈んだ。敵の行動範囲、確認しろよ、このボンクラ―――――
一瞬意識を失った。リセットだ。
まあ、彼女を失うよりは、いいか。気を取り直し、俺は再びエミリとの仲を深めつつ、プリン軍を勝利に導く。そして、新たな戦場へとやってきた。8度目の戦場。ここまでの新記録だ。だが、この戦場は苛烈だった。序盤から津波のように押し寄せる敵。俺含む主戦力4人で鉄壁の陣を組み、何とか持ちこたえた。この布陣、プレイヤーも学習してる。悪かったな、ボンクラとか言って。初期配置の敵どもは全滅した。敵の大将は、長い細道を超えた先の城に居る。奴を落とせば勝利だ。行くぜ。が、ここでまたしても苦難が俺たちを襲う。敵の増援だ。遠くの城めがけて縦長陣形となったプリン軍の側面に増援が襲い掛かる。そこを救いに行ったのは剣士クリン。そして、踊り子ロリィ。ロリィは名前通りの童顔で小柄だが、出るとこは出てる、大人の女だ。ロリィの踊りを見ると、元気が出てきてもう一度行動できる。わかるぜ。男だもんな。って、あ! ロリィがやられた。あそこでもう一人、赤いヤツを救援に向かわせてれば―――――
またリセットか、このヘタクソめ!
あれから再び、俺たちは8度目の戦場――もう8面でいいだろう、この際――に帰ってきた。前回の失敗で学習したのか、今回は慎重に軍を進めて無事勝利。ちゃんと学習してる。見直したぜ。
だが、その後も俺たちの受難は続く。
あるとき、俺は騎士どもの大群に晒された。こいつらの攻撃、なんか避けるの難しいんだよな。こっちはこっちで時々攻撃躱されるし。これは多分、武器相性ってやつだな。早くプレイヤーがこの事実に気付いてくれるといいんだが……。
―――
今日の戦いも、勝利で終わった。これで12面クリア。ここまでの新記録だ。プレイヤーも徐々に学習してる。良い兆候だ。さて、今日もエミリと仲良くやるか……ん? あれは、クリンとロリィ。二人がテントに消えてゆく。なるほど。クリンのやつ、そういう趣味か。何も言うまい。ロリィはれっきとした成人だ。む。今度はオルドのじいさんがビティと……マジか。勃つのか、あの年で!?
「おまたせ、ウルヴ。待った?」
「いや、今来たとこだ」
「何言ってるのよ、そんな付き合いたてのカップルじゃあるまいし」
「……そうだな」
「そ・れ・よ・り。私たちも。行きましょう? 早く行かないと、空きテント、無くなるわよ」
俺には、エミリが居る。それだけで、俺は生きていると実感する。このおかしな世界で、それだけが心の拠り所だった。
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