好きを教えてくれて、ありがとう

hiziking

佐草 愛美

君は誰を愛しているのだろう?


「ねぇ、最近好きな人ができたんだ」


これが、愛美と一緒に登下校してた小学生の時。


「隣のクラスの圭吾君について、何か知らない?」


これが愛美の胸が育ってきていた中学生の時。


「次のクリスマス、イルミネーション見に行くから、今年は無理そう……誰と行くかって? そんなこと聞かないでよ」


これが君と違う学校に進んだ高校生の時。


「この間のレポート見せてよ。さっきまで、彼氏の家に泊まっててさ」


これが偶然、また同じ学舎になった大学生の時。


携帯の連絡先は君しかいなかった。

ずっと、ずっと。


小学校の仁美ちゃん。

中学校の楓さん。

高校の奏。

大学の葵先輩。


今でも彼女たちの顔がよぎる僕は不純だ。


それでも君の言葉が刺さるから。

何秒、何分、何時間かかっても君のラインを待ち続けるから。


また教えてほしい。


今度、君は誰について話してくれるだろう。

最初は「好き」について、教えてくれた。

次は「ハグ」について、教えてくれた。

次は「ファーストキスの味」について、教えてくれた。

次は「抱き合った時の温もり」について、教えてくれそうだ。

次は、次は、次は……何を教えてくれるのだろう。

君のために、無知であり続ける僕に何を教えてくれるだろう。

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