第2話 ≪番外編≫近畿・関西地方の都市伝説と考察。
※ここからは私が成人した後の【近畿・関西地方の調査】です。
ネットの情報以外でもフィールドワークとして現地へ行って調べられる時間もできたので、長年放置していたこの【白い男】、不可解な出来事を少しだけ深掘りしてみることにしました。
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近畿・関西地域でも複数の都市伝説があり、
有名な話は【泉の広場の赤い女】【江戸時代の処刑場と墓地】【解体できない幽霊市場】【牛女】【メリーさんの館】など。
単体の怪異として【泉の広場の赤い女】に注目してみました。
【都市伝説・赤い女】
「泉の広場の噴水近くを通っていると、赤い女に追いかけられる」
「赤い服の女と目を合わせると付いてくる」
「赤い女から助けてくれた人物は、正体不明で実在しない」など。
※(「泉の広場」の噴水は2019年5月に撤去されています)
「赤い女」は実在していた可能性もあり、都市伝説のモデルとなったのは【夜の街】で働いていた女性たち。
噴水前で客と待ち合わせをする際、目立つ色である【赤い服】を目印にしていたそうです。これを見た同じ職種の女性が客引きのため【赤い服】を着るようになったとの情報もあります。
また、付き合っていた男性がいて結婚の約束をしていたが、別の客からストーカー被害を受け、その後、殺害された。
婚約者の借金を返すため、相場よりも安い値段で客を取る【赤い女】は、同業者から商売の邪魔だと因縁をつけられ、噴水前から追い出されてしまい、階段で座り込んで客を待っていた。
警察の取り締まりが厳しくなり、【赤い服】で客引きをする女は噴水前から姿を消して近くの路地などで目撃された。
「泉の広場」から噴水が撤去された後、近くの雑居ビルのBarで【赤い服】の女性がカウンター席で座っていることがあり、客がマスターに彼女はどんな人なのか聞いたところ「そんな女性は来店していない」と言われた。
【赤い女】の話は、噴水が無くなった後も、形を変えて都市伝説になっています。
キーワードになる赤。
通常「赤」は魔除けとされていますが、アジア圏の一部では「悪霊」が赤い服を着ているとも言われ、昔話や伝承に残っていたりもします。
強い恨みを持って亡くなった女性が赤い服を着て死ぬと、強力な怨霊になる。これを信じて自〇する際に赤い服を着る。
山道に現れる赤い服の少女の話。
原型は台湾の民俗信仰における妖怪「魔神仔(モシナ)」の一種。
「拾ってはいけない」赤い封筒は「冥婚(めいこん)」の道具で、死者と結婚させられる。などです。
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【白い男】
では、過去に見た【白い服の男】は何なのか。
ただの潔癖症か、白色が大好きなだけなのか。
ヨーロッパに伝わる白い貴婦人「白い女」、ホワイトレディ。劇場のロイヤルボックスに現れる「灰色の服の男」。こういった存在も現地では信じられているようですが……。
当時の情報や潮流から「白装束集団」が考えられ、オカルト掲示板に書き込みがあった宗教団体「〇ナ〇ェーブ研〇所」の信者であった可能性もあります。
この宗教団体は、自論で電磁波から身を守るために有効という「白装束」を着てきたことでよく知られていました。
山の中へハイキングやキャンプに行ったとき、服やズボンが木に結びつけられていたり、吊るされていた場合、彼らが「巡礼」した痕跡だとされていますので、即刻、山から下りたほうが良いでしょう。
活動範囲を縮小させたと言われていましたが、2025年、ある山中で多くの衣類が木にくくり付けられているのをハイカーが見つけています。
これは、あくまで想像の範囲に留まりますが。
大きい街なので団体が活動していても、警察関係以外、その存在を気にかける一般人は少なく、街中で「浮いて見えた。悪目立ちしていた」のは、本人の宗教に対する信念や、自身が特別であるという気持ちのようなものが、雰囲気として出ていたのかもしれません。
電車の中で違和感がある「白い男」と乗り合わせ、同時に「通りゃんせ」の大音量を聞いたため、不安が「怪異」だと感じさせたのではないか。
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【電子音の通りゃんせ】
【通りゃんせのメロディ】が流れる「音響信号機」「メロディ信号機」は2003年警察庁からの通達で【ピヨピヨ・カッコー】など「擬音式・鳴きかわし式」に少しずつ交換され、現在、近畿圏からは一か所(交通公園)を除いてすべて無くなっています。
いつ無くなったのかは、ばらつきがありますが、少なくとも2008年以降の情報を追うことはできませんでした。
このメロディがどうして大音量で聞こえてきたのか?
現実の音だったのか?
◆ストレスによる一時的な一過性の解離幻聴◆
ノック音や、子供の泣き声、人のざわめき、話し声などが、短く一瞬だけ聞こえることが特徴なので当てはまりません。加えて、その場で思考したり反応していたので、現実感の喪失や解離とは考えにくいです。
◆実際には音がないのに音楽が聞こえる音楽性幻聴◆
この場合、周りの人に同じ音が聞こえているのか確認する、スマホで録音するなど手段がいくつかありますが、残念ながら当時は思いつきもしなかったので、実行できず終いです。
多くの人が経験したことがある「イヤーワーム現象」は、耳から聞こえる「音」としての認識ではなく、「頭の中」で繰り返し音楽が再生されていると自身が自覚しているので除外します。
超常現象?「音の怪異」だったのか?
発生から十数年以上の時間が経過をしており、消えてしまった掲示板の情報や、音響信号機の消失により、同じ状況での検証が難しいため、当時、電車の中で聞こえた「通りゃんせ」が何であったのかは、今のところ不明とします。
【追 記】:電車の路線は、2025年12月の時点で調査保留中の【ゆがみトゆらぎ】に登場する○○線と同じです。
もしかしたら「実在していた人物像」と「不可解な現象」「噂話」が重なったとき、「都市伝説」や「怪異・怪談」が誕生するのかもしれません。
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【余 談】
江戸時代の歌舞伎、「東海道四谷怪談」の作者である「四代目 鶴屋 南北」は、「四谷雑談集(よつやぞうたんしゅう)」江戸時代の噂話・実録物語集、今でいうところの「週刊誌」を元に、「お岩」と「伊右衛門」の話をブラッシュアップして「新しい怪談」へ仕立てました。
「お岩」と「伊右衛門」は架空ではなく、実在した人物なのですが、南北は史実や伝説、江戸で起こった事件などを混ぜ合わせ、二人の解釈を改変して歌舞伎の脚本を書いたのです。
モデルにされた「お岩」は顔面に発症した帯状疱疹(たいじょうほうしん)が重症化し、激痛に苦しみ、精神を病んで家を飛び出して行方不明になりました。
実際の「お岩」「伊右衛門」夫婦はとても仲が良かったそうで、物語上、フィクションとして「伊右衛門」が悪人・悪役にされています。
この有名な怪談は、現代にも通じる「長い黒髪で白い着物(白い服)」、女性がおどろおどろしく恐ろしい幽霊として描かれ始めた、最初のブーム・火付け役だと言われています。
【締めくくり】
2025年6月。同じ某駅前で「全身白塗り」のストリートパフォーマー、【ホワイトマン】が現れたそうですが、私の見た「白い男」ではありませんでした。
このかたは、実在する大道芸人さんです。
横断歩道を渡るとき、「通りゃんせ」のメロディが聞こえてきたら、そっと周りを見渡してみてください。
◆音響信号機×白い男◆ 茶房の幽霊店主 @tearoom_phantom
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