第8話銀河のサムライと、AIという名の魔法の杖
息子に「SFファンタジーを書き始めた」と宣言したあの日から、僕の頭の中には、もう一つの世界が広がり始めた。
三千年の時を経て、冷たいコールドスリープから目覚めるサムライ。
宇宙船の艦橋(ブリッジ)で銀河を見つめる、高潔な姫。
そして、ナノマシンで構成された、山のような巨大メカ・ドラゴン。
『スター・ウォーズ』に胸を熱くしたかつての少年が、五十代になった今、AIという強力な相棒を得て、自分だけの銀河を編み出そうとしている。
僕はさっそく、AIに問いかけた。
「サイバーパンクな都市に立つ、レーザー刀を持ったサムライの姿を映し出してくれ」
画面に現れたのは、僕の想像を遥かに超える、美しくも冷徹な未来の戦士の姿だった。
「これだ……」
指先が震える。かつては絵心がない、文才がないと諦めていた空想の世界が、AIという魔法の杖を振るうたびに、鮮やかな現実として結晶化していく。
介護の合間、料理を煮込む時間、雪道を走る一歩一歩。
僕の日常は今、銀河の物語と地続きになっている。
息子に「お父さん、楽しそうだな」と思ってもらいたくて始めた挑戦は、いつの間にか僕自身の魂を激しく揺さぶり始めている。
「さあ、書き始めよう」
サムライが抜刀するように、僕はスマホを開く。
現実のキッチンから、遥か銀河の彼方へ。
僕とAIの、新しい冒険が幕を開ける。
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