第2話 我慢の限界
雨が激しく地面を叩きつける音が響き渡る。雨のせいで三限の体育が、体育館での授業となった。準備体操をし、男女別にペアを作るように先生から言われた。
「今日の授業は体力測定をします。皆全力で頑張りましょう! 」
最悪だ……。よりによって一番やりたくなかった体力測定。しかも、ペアは一番嫌いなA子だ。明らかにA子の態度が違う。それほど嫌なんだと誰でも伝わる。
「まずは、シャトルランをします。しっかりペアの人の記録を数えるように」
シャトルランがスタートした。まずは、A子が走る。記録は42回。やがて、私の順番が来た。記録は23回だったが、自分なりには頑張ってやりきった。
だけど、A子は周りの人達に私の記録を話し、馬鹿にし始める。辺りはザワザワし始め、落ちつきが無くなった。先生も異変には勘づいたが無視。私は、消えたくなった。
「次は反復横跳びをします。準備してー」
「よーい、始め!」
私は一生懸命に線をまたいだ。運動音痴の私には、ステップが難しい。
「西園寺見て」
馬鹿にするような笑い声と共に、悪口が聞こえてくる。
「あいつのステップおもろ」
「がちそれな!」
私の耳に次々と、私の悪口が入ってくる。涙が自然と溢れてきた。反復横跳びの途中だったが、耐えきれなくなってしまって、何も言わず体育館を飛び出した。
体育館を出て、トイレに駆け込む。涙がとまらない、息ができない、悔しい、死にたい、そんな気持ちで溢れて苦しい。
チャイムが鳴って授業が終わった。着替えて教室に戻る。さっき泣いたせいで、目が赤く腫れてしまった。
泣いてたのバレるかな。どうせ誰も私の事など見てないのに、そんな心配をした。
帰りの終礼の時間になった。やっと、帰れる。それに今日は金曜日だ。明日学校がない、ただそれだけなのに、いつもより帰る足取りが軽い。
靴箱の前にクラスの一軍男子がたむろっている。私にはそこに行く勇気が無く、十五分くらい隠れて待った。
彼らがいなくなったのを確認して、私は靴箱へ行く。そそくさと靴を履き、下を向いてすたすたと歩き始めた。
家まであと半分くらいの距離の時、近くを歩いていた他校の男子生徒が、私の前に近づいて来た。なんだろうと顔を上げた時、ふと目が合った。
その人は、きらきらと輝いて見えた。
私とは、正反対だ。私はその人を避けて、歩き始める。するとその人は、私の肩をトントンと叩き話しかけてきた。
「君の名前は? 」
「なんで知らない人に名前教えなきゃいけないんですか?」
私は困惑しながら返事をした。すると彼は、何も言わずに全力で走ってどこかへ行ってしまう。
今のは何だったんだろう、そう疑問を抱きながら、私は帰宅した。
夜ご飯を食べる前に、スマホに一件の通知。イン〇タのDMだ。
「こんばんは! 急に連絡してすみません。自分は
えっ…、なんで私のイン〇タ知ってるんだろう。まさか……ストーカー?
「覚えてますけど、何の用ですか? 」
私は素っ気なく返事をした。
その後しばらく、返信を待ったけど、なかなか返信は来なかった。
モヤモヤしながら、私は寝落ちしてしまった。
君と出会って、君を想って 田舎のギャル @bu_rin_o6s2
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