第3話 〖Alarm〗
「…うるさ。」
けたたましく鳴るスマホのアラームを止める。
今日は期末考査当日。私は保科アテネ、華のJKだ。
女子高生の朝は早い。なぜなら男子と比べて準備が長いからだ。私のボサボサの髪が鏡に映る。
ドライヤーでボリュームを出し、ヘアアイロンでトップを内巻き、襟足を外巻きにする。
ウルフカットの命は襟足にあると、私は思う。
その後はテストの準備だ。昨日は小鳥遊のせいであまり
寝られなかったが、そこまで支障はない。
ついでにベストの毛玉を取る。
行きの電車で今日の教科の勉強をする。
時々、スマホの内カメで自分の髪を確認する。
「保科さん、おはよう!」
「おはよう、小鳥遊。」
「昨日はよく寝れた?」
「私はあまり。小鳥遊は?」
「同じくらいかなぁ。」
二人で教室まで歩く。昨日の薬が効いたのだろうか。小鳥遊の角は何とか消えたようで、彼の顔も明るい気がする。
キーンコーンカーンコーン
試験開始の合図が鳴る。1時間目は日本史だ。
「始めてください。」
全方位から鉛筆やシャーペンのコツコツとした音が聞こえる。私からもだ。
テストを解いていくにつれて、周りの音が聞こえなくなる。
今回の範囲は、プレデター関係の内容が多いので、前回より格段に難しくなっている。何問か詰まるところはあったが、
飛ばしたり、天に任せたりしながら次の問題へと進む。
__テストの表が終わり、裏返す。時間は残り半分と申し分ない。
簡単な記号問題を解きながら小鳥遊のことを考える。
彼もさぞ緊張してるだろう、昨日プレデターに変身して治ったはいいものの、昨日の今日でテストを受けるなんて。角がなくても、周りからの視線があるように感じるだろうし、それはさぞ怖いだろう。
…怖い?
もしかして、と思いゆっくりと斜め前の小鳥遊を見る。
「__?!」
小鳥遊の頭から、
深緑の角がひょっこりと顔を覗かせていた。
そして前方から、
試験官の先生が静かに、
だが確かにこちらに近づいていた。
第3話 〖Alarm〗
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