第8話 悪友
千草からは、何も聞きだせなかった。まさか、無理やりペンを持たせて書かせることもできない。壮太は、落胆して帰京した。
焦ってしまった。聞けば教えてくれるなんて単純に考えてた。八方塞がりだ。あいつらに頼るしかないか。
壮太は、スマホを取りだして、電話をかけた。
「おう。俺だ。久しぶり、ちょっと相談がある。」
「困りごとか。頼りにしくれてありがとな。じゃあ、夜に」
その夜、壮太は、友人の
「稲田大時代の俺たちに、深山が頼るってことは、相当、困ったことが起きたな。俺1人でいいのか?」
「とりあえず班目に相談しようと思って。」
「おう。りょーかい。じゃあ聞かせてもらうかな。」
壮太は、これまで起きたことを話した。それを聞いた班目は、ゴクリと生ビールを
一口飲んだ。
「そりゃぁ、まずいなぁ」
開口一番に言った。
「まずかったか?」
「これは、俺の仕事で培った勘だけど、奥さんがなぜ福島行きに乗ってたかを聞くのはいいさ。実家に行くって言っていたから変だからな。だけど、何回も行っているとお前がつかんだと知ってしまったということが奥さんに知らせてしまった。これは、まずい。」
「なぜだ?」
「よく考えろ。1回だけなら、なんとでも言い訳はできる。バスを間違えたとか、急に出張が入ったとか、友人に会うことになったとか・・。でも、何回も同じ場所に行っている、それをお前が疑っている、その上で目的を伝えない、ということは、お前に知られたくない目的の可能性が高い。」
「しまったなぁ、さすがだな、事件記者は。」
「まあ、事件記者って言ってもゴシップとか三面記事中心のネットニュースだからな。」
班目は、大学時代、いろいろ遊んだ悪友の1人で、今は、事件ドットコムというネットニュース社の記者で、事件取材の経験が豊富にある。
「どうしたらいい?」
「奥さんの仕事がらみで、福島との関連はないんだな?」
「うん。会社に連絡した時、福島の病院って聞いて驚いていた。」
「そうか。」
「奥さんから何かを聞き出すのは、当面無理だと考えよう。どうしても話さなければならない材料を集めろ。手掛かりは・・・、まず奥さんの友人だ。お前が今、俺を頼っているように、奥さんの友人なら何か、福島とのつながりを知ってるかもしれない。」
「ありがとう頼りになるな。」
「困ったときは、俺たち友達を頼れよ。」
壮太は、うなずいた。
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