第6話 利用明細

 壮太の脳裏に1つの仮説が生まれた。

 千草は、今回だけでなく何度も福島に言っていたとしたら、今回だけでなく何度も高速バスを利用していたとしたら。

 その足跡がどこかにあるはずだ。どこに?どこかにないか?

 チケットだ!バスは電車と違って自由席とかはない。必ず座席を予約して乗車する。チケットをその度に購入しているあかしがどこかに。

 クレジットカード!

 ネットで予約すれば決済はクレジットカードのはず。カードの履歴調べれば。もう一度、千草のスマホを開く。

 あった。千草の使っているクレジットカードのアプリの表示。開くと、カードの明細が2年前までは、調べられた。クレジットカードの利用明細を月ごとに確認していくと、高速バスのチケットの購入履歴が見つかった。胸がドキリとする。やはり2か月前に帰省と言っていた目的地は福島だった。そこから月を遡っていく。すると、そこから2回の福島へのチケット購入履歴を見つけた。

 妻は、年に2回程度、福島へ定期的に行っていた。今回のことは、偶然でもなんでもなかった。壮太は、背筋が寒くなるのを感じた。

 ひょっとしたら、遡って過去の明細が調べられないずっと以前から行っていた可能性もある・・・。何のために?

 壮太は、愛していて平凡に暮らしていた妻の千草が、自分の知らないところで、思いもよらぬ行動をとっている現実を受け止めていた。


 何が起きたのかを調べなければならない。壮太は、決意を固めた。

 

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