第3話 放送室の真実

 放課後、七瀬は視聴覚室ではなく、放送室へ向かった。

 鍵は壊れていないのに、ドアは開いた。

 中には、古い放送機器と、一台のパソコン。

 画面には、学校の名簿。

 そして、背後から声がした。

「やっぱり来たね」

 振り返ると、そこにいたのは――

 一ノ瀬紗月だった。

「噂は、声より早く広がる。

 だから、放送で“返した”だけ」

「消えた生徒たちは?」

「安心して。別の学校に転入してもらっただけ。

 同じことを繰り返さない場所へ」

 七瀬は、静かに聞いた。

「じゃあ、私の名前を呼んだのはなぜ?」

 一ノ瀬は少しだけ目を伏せた。

「君は、止められる人だと思ったから」

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