第3話 性質
みどりは、触れ合う。
押し合うわけでも、
溶け合うわけでもない。
近づけば、
自然にそこにある。
水守たちは、
それを結合と呼んでいた。
⸻
結合が進むと、
空間が少し重くなる。
圧力ではない。
重力でもない。
深層庭が、
一呼吸、深くなる。
水路の流れが遅れ、
影が、わずかに濃くなる。
「あ、今つながった」
そういう瞬間が、確かにある。
⸻
みどりは、
単体では形を持たない。
だが、結合すると固まる。
硬くはならない。
弾力がある。
ぶよぶよしている。
水守の一人が、
そっと触れたことがある。
「……生きてる、とは違う」
それだけを残した。
⸻
お姫様は、
みどりを見ていた。
「増えてる?」
「うん」
「早い?」
「普通」
それは、
安心を意味しない。
完成でも、崩壊でもない。
すべてが途中だった。
水の音は、
まだ巡っている。
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