第3話

「うわぁ……これは酷いなぁ……」


改めて彼女のステータスを見てみると、良くない状況だとボクは思った。

なぜならば基本的に装備時上昇率は鍛えるほどに上昇していくものだ。

そして上昇率の初期ステータスは100%になっている。

そこから見るに彼女を武器として扱っていないことがよくわかる。


これでは彼女の魅力を存分に出すことが出来ていなあではないか。

そう思ったボクは、彼女をこの戦いで急成長させることに決めた。

曲がりなりにもスクールの中ではクイーンとして高い地位を確立しているのだ。

彼女のための手助けをしてあげようじゃないか。

そう思ったボクは大きく、鍛冶師の槌をふるい上げた。

大きなハンマーには、武器化したロザリオさんの有刺鉄線が絡まっている。


『ちょ、ちょっと、ナニ、するつもり?!』


彼女の感情が武器としてボクの手のひらに伝わってくる。

もちろんボクは彼女を鍛えるつもりなのだ。

彼女にとってはほとんど体験したことない経験をすることになるだろうけれど、これもまた彼女のために行うのだ。

大きく腕を振り下ろすハンマーが有刺鉄線とともに振り下ろされてボクの目の前にいるゴーレムに向けて打ち付けた。

瞬間。

大きく火花が散った。

彼女の精神世界では唐突な衝撃に肉体が驚きを隠せなくなっていた。


『おっ、っ?!』


興奮を帯びた声色で、ロザリオさんは痙攣をしながら、野太い声を口から漏らした。

ゴーレムはボクに向かって大きく腕を振るう。

鋼で出来た剛腕は一撃を諸に食らえば絶命は免れない。

それでも、相手の攻撃を紙一重で回避すると、ゴーレムの肉体に向けて連続して槌を鍛ち付ける。

鍛冶師の攻撃は、創造妃の肉体を構築、鍛錬する為に行われる。


『な、あっ、あ、ついッ、硬いのぉ、打ちつけない、ッでぇ!!』


甘い声色はそれだけで強化されていると確信で出来る。

上手く鍛えれば鍛える程に、創造妃はより興奮し快楽を伴う様になるのだ。


「TOOOOOOOッKYOOOOOOO!!」


ゴーレムが声を荒げると、腕を大きく振り回した。

即座に回避をして、ボクは有刺鉄線を付随した槌を振るう。

本来ならば、有刺鉄線の鞭はボクの思い描く軌跡を描き相手を攻撃を行う、そこに合わせて、スキルである『灼煉』を併用しようとしたが、途端にスリサズ・ソニアはふにゃりと曲がってしまう。


『か、っ、てに、指図、しないで、最低、クズッ!!あたしを動かしていいのは、オウガだけ、なんだから』


まだ、この状況を理解していない様子で、ボクは酷く溜め息を吐いてしまう。

有刺鉄線を束の様に纏めて掴みあげる、手のひらにトゲが食い込むが気にしない。

ただ、強く、思い切り、呼吸が出来なくなるまでに徹底的に。


『あっ、ごッ ?!ぉ、かはゅっ!、ひゅ  !!っ、ひゅッ~~~ッ』


彼女は酸素を欲して悶えている。

次第に、有刺鉄線から黄金に輝くオイルが漏れだした。


「立場と言うのがまるで理解していないみたいだね……キミは道具だ、使われる存在だ、鍛冶師に歯向かうなんて烏滸がましいにも程がある、身分相応を理解させるには、おしおきしか無さそうだね」


言葉による責め立てと共に、ボクは束を手から離すと彼女は一時の自由と共に荒々しく呼吸を繰り返す。


「Tooooooookyooooooooッ!!」


ゴーレムが接近すると、ボクは槌を構えた。

有刺鉄線の位置をズラして、別の部分に叩けるようにする。


『ちょ、まっ ケホッ、やめっ、そこ、お、しりッんぁっ』


精神構造体の彼女はボクの膝の上で思い切り臀部を弾かれている感覚を覚えているのだろう。

ゴーレムの攻撃を回避すると共に、その硬き腹部に向けて、何度も何度も強く、音を切り裂く様な激しく鍛つ。

さながら、真っ白な臀部に真っ赤に染まる張り手の痕を付けるように。


パシンッッッ!!、パチンッッッッ!!

と、空を切る音と共にゴーレムにダメージを与えていく。


『や、 あっ!ぃ、お、おぢりぃッ ぁ痕、でき、ちゃあっい、イ、ぃぐッ  お? ゥ~~~っ』


苦痛を喉奥から漏らすスリサズ・ソニアは、武器の奥から啜り泣き、声を漏らす。


『う、ううっ、こん、なッ、こんなクズに、いぃ、っ!イッ~~~ッ、あ、かっッ』


悶絶しながら、有刺鉄線がくねり始める。

軽い痙攣を何度もしていたが、ボクは有刺鉄線を強く握り締めると共に耳元で囁いた。


「で、誰の言う事を聞くのかな?」


その言葉に、有刺鉄線の一部が紅潮の色に染まりながら高らかに告げる。


『あ、あなたに、従うぅ!!従うからぁ、やめてぇッ!! もう、気持ち良くなりたくないのォッ!!』


その言葉には本心から否定している様には聞こえない。

何処か攻めに対して興奮を隠しきれない声を発していた。


「酷いなぁ……まだボクの手を傷つけろと言うのかい?……道具風情が、女王の真似事をするなよ」


『ひゃッ、そ、こっ、んっぽあいッ?!つッ、まないでッえッ!!ごめ、ごめん、なさいッ、ごめんなッ、ひゃいッ!!』


有刺鉄線の先端、トゲの生えた部分を強く摘まむと、とても良い声で懇願してくれる。

段々と、彼女がボクに対して心を開いてくれている様に思えた。

この状態ならば……かなりの成長度が期待出来る。




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