第3話 三条時玲子

 翌日 学校にて


 村松邦夫が学校へ朝、登校すると、校門の前で〝悪友〟石川大介いしかわだいすけ山田一馬やまだかずまが待ち構えていた。

「おい!邦夫!聞いたぞ!」と石川が邦夫を羽交締めにした。

山田が校門を塞ぐように「俺たちの間に秘密なんか言語道断!」と邦夫の靴を脱がし始めた。

石川は、「お前、靴屋だからって年中靴履いてるから〝水虫〟になるんだよ!」と靴を脱がした右足をマジマジと見る。

「本当だ!治ってるよ!」と山田は信じられないような目つきで見ている。

「やめろよ!やめろってば!」と邦夫は抵抗する。

「おやめなさい!」

三人が声の主を探すと校門の脇に背が高く品のいい女学生、三条時玲子が立っていた。

「みっともない!お恥ずかしいと思わないのかしら?校門の前で、おやめにならないなら、先生にご報告してもよくってよ!」と腕をくみ、栗色の髪をなびかせて、三人を見下ろして言い放った。

石川が「これは、三条時のお嬢様!すぐに俺たち消えますから、どうか‥」と手を揉み出した。

山田も、ぺこぺこして、そうそうに邦夫の靴をもどした。

「お分かりなれば、よろしくってよ」と付き添いの侍従から鞄を受け取り、颯爽さっそうと校舎へ向かった。

「やっぱり衆議院議員のお嬢様は違うよな!きっと高等女学校に進学されて、いいところへお嫁に行かれるんだろうな‥」石川が呟くと、邦夫は「俺たちには、関係ない世界の人だよ!お前らまさか憧れたりしてないよな!」と釘を刺したが、

二人とも、三条時玲子の後ろ姿にのぼせているようであった。


 放課後


「おい!村松!教頭先生がお呼びだぞ!」と担任の川上先生から、職員室にいくよう指示をだされた。

 山田が「おい!邦夫またなんかやらかしたな!」とちょっかいを出してきた。

 邦夫は思い当たる節がなく、ビクビクして職員室に向かった。

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