スキル「リストR」で勇者召還からリストラされましたが、このスキル「○○リスト」に何でもなれるようです

優香猫

追放とスキルの可能性

僕は小学校低学年の頃、通学路の途中にあるバス停でバスを待つ三人の男女に憧れていた。

キラキラしていて同じ制服に身を包み楽しそうに笑い合う高校生に憧れていたんだ。


そこに僕と僕の幼なじみの女の子二人を置き換えていたのかもしれない。あんな高校生になる未来を夢見ていたんだ。


そして時は経ち、十六歳になる春。


二人の幼なじみは可愛い高校の制服に身を包み、僕は…工場の作業着を着ていた。




「「おはよ~!利久斗りくとも今日から仕事?頑張ってね」」


「……」


僕は二人の幼なじみと距離を取る。物理的にも幼なじみという関係値的にも。


そう、今から五年前に僕の母が亡くなった時から話しをしていない。二人と距離を取ろうとしていた。


鬱話なんて聞きたくないと思うから簡潔に話すと、母が亡くなってから父が酒とギャンブルに溺れた。


小学校を卒業する頃までは借金取りが毎日のように家に来ていたっけ。

それが中学生になると急に羽振りが良くなったんだ。僕も放課後には怪しい倉庫に連れて行かれ何だか分からない物の袋詰めをやらされた。


一度「俺は放課後部活がしたい」なんて言って殴られた事がある。それからも倉庫に行くのを渋ったり反抗すると殴られる事は無くなったが食事が減らされるようになった。


それから俺は父に従うロボットになった。自分を出さないように一人称を僕に変え、おとなしく従順なロボットになったんだ。


高校なんて受験もせてもらえず、中卒で就職することも相談も無しに決められていた。

僕に未来なんて無い。


こんな僕に関わらない方が良い。一人にしてくれ。



バスに乗り込むと一番後ろの窓際が空いていたので座る。幼なじみの二人は前の座席に座った。


しばらく走るとバスが揺れて浮遊感に襲われた。良く見ると幼なじみと僕の足元には魔方陣のような物があり。光が溢れ…意識が…



気が付くとそこは見た事も無い場所だった。しかし知識としては知っている。白い部屋だ。


まだ頭も身体もフワフワしていて話も出来ないが、二人は女神と思われる人?と話している。

二人は光の靄で作られた身体になっていたのだが、、、全裸だった。見えてはいない、けれど輪郭は丸分かりだ。二人とも立派に育っている。何かが。


僕はまだ魂だけの存在のようだ。

正直助かる。一部分だけ育った光の身体にでもなっていたら二人になんて思われたか。


「ですから…」

「だから!」


二人は女神と揉めているようだ。

ところどころしか聞こえないが、僕のスキルで何かしたいようだな。


「利久斗だからリスト…」

「私たちのスキルを弱くして…」


決まったのか?

もう時間切れらしい。

これから異世界に飛ばされるのか。


僕は死んだのだろうか。

仕事に行かなかったから父に殴られ…はしないか。死んだのだから。

ははっ、死んでも父の顔色を伺うなんて僕は本当に。



次に目を覚ますと石造りの広間だった。

高級感があるヨーロッパの古城のような…って、もう王城を追い出されたんだけど。


二人はまるで示し合わせたかのように、僕のスキルを『リストラ』だと笑い。まくし立てるようにどれだけ使えないスキルかを話し、周りを巻き込んで僕を追放へとおいやったのだ。回想終わり。


でもアレって。

アレだよな?

小さい頃、まだ仲が良かった頃に映画で見た嘘を付く時にウィンクするやつだよな?


二人がウィンク下手過ぎて大笑いしたっけ。

それを今さら?


「使えないスキルだから」パチ☆パチ☆

「一緒に居たくないのよ」パチ☆

「嫌いよ!大っ嫌い」パチ☆

「愛して無いもの、魔王を倒しても会いになんていかないわ」パチ☆



なんだかずっと二人してウィンクパチパチしていた気がするんだよな。

僕の思い過ごしじゃなければ全部嘘って事?


さ、最後のなんて告白じゃないのか?


そ、それにしてもこれからどうすればいいんだ?

金貨一枚だけ貰っても何日過ごせるかも分からない。


こんな戦う装備も何も無いだなんて、どんなミニマリストだよ!


『ミニマリストを認知しました』

『マジックボックスが解放されました』


ん?


認知?


解放?


何だ?何が起こった?

感覚的にマジックボックスが使えるようになったのは分かる。


認知、解放のトリガーとなったのは…ミニマリストと頭の中で思った事か?それくらいしか考えられない。


僕のスキルは『リストラ』だ。正確には『リストR』だったよな?何か関係があるのかも。


リストR、ミニマリスト、リストR、ミニマリスト…リスト。


共通する繋がりはリスト、か?

○○リストが認知されるとか?

○○リストって他にあったか?


う~ん。


う~ん。


勉強する意味が無かったから英語の授業なんて聞いていないわ、お昼寝タイムだったからな。


○○リストなんて思い付かない。


視点を変えて、異世界なんだから魔物との戦闘があるのだろう。戦いのリストは無いだろうか。

強いリスト、格闘リスト、早いリスト。


あっ!オリンピックだ!


金メダリスト!


『金メダリストを認知しました』


おお!認知された!


マジックボックスのように何かが解放されて使える訳では無いようだが、なんだか強くなった気がする。速く走れる気がする!


って!おい!


異世界で百メートル九秒台で走れた所でいったい何になるっていうんだ!


魔物と柔道で戦うってか!


フェンシングでチクチク戦うって地味じゃないか!


他に○○リストが無いかを考えながら、夢の百メートル九秒五八で走っていると噴水のある広場にたどり着いた。


大道芸人がやるようなジャグリングを披露する人や吟遊詩人のような人もいる。


あっ!ここでお金を稼ぐのもいいかも!


ギタリストやボーカリストなんてどうだ?


『ギタリストを認知しました』

『ボーカリストを認知しました』



◇◇◇◇

あとがき


休止中に思い付いた話の第一話を色々投稿しています。

反応が良かった物を連載にしようと思っています。

続きが気になった方は☆や♡コメントお願いいたします。


貴族向けにスタイリスト、ネイリスト。

ジャーナリストに戦闘ならテロリストとか何でも出来そうなんですよね。

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スキル「リストR」で勇者召還からリストラされましたが、このスキル「○○リスト」に何でもなれるようです 優香猫 @kaneyu8313

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