第22話 不倫のためのおまじない2

須藤と麻里の不倫が始まったのと時を同じくして、広大もこの「恋の鳥」にやられ出しました。

その相手は、広大が面識のない、彼の今の部署の女性でした。

峰下さんという女性。。45歳独身女性。


彼女は広大の存在を認識していましたが、広大とは話したことのない、部署内の女性でした。


彼女は広大を**「この人かっこいい!!」と一目惚れしていました。

しかし、「どうせ私なんて」と諦めていた時、恋をしていたら「恋の鳥」が来てくれたのです。彼女は広大が結婚していることも知らず**、鳥に広大の名前を伝えたのです。


広大の心にも、須藤と同じように、突然その女性、峰下さんへの情熱が植え付けられました。

広大も、峰下さんと不倫をすることになりました。

広大はほぼリモートであるにもかかわらず、麻里さんには「残業」と偽り、わざわざ退勤後、峰下さんの家に行くようになったのです。


「恋の鳥」によって、麻里と広大は互いに新しい恋愛感情を植え付けられ、不倫関係に陥りました。その結果、彼らの結婚生活は極めて歪んだ形で崩壊しました。

お互い、もう隠してませんでした。


麻里

今日も須藤くんとこ行ってるね


広大

俺も峰下さんとこ行ってるね


彼らは、お互いの不倫を容認し合う、異常な夫婦関係になりました。嫉妬や怒りといった自然な感情は、「恋の鳥」の影響によって麻痺し、このような感じが続きました。 

須藤にとっては、この状況は好都合でした。


須藤(心の声)

(多田さんは飯嶋さんに興味を失い、飯嶋さんは俺に夢中だ。俺の愛が、こいつらの安っぽい結婚生活を破壊したんだ)


彼は、広大が峰下さんと不倫していることで、麻里が広大と別れるのは時間の問題だと確信しました。麻里への執着を満たすと同時に、広大への優越感を満たすことができたからです。


「恋の鳥」による超常現象は、すでに社会問題となっていました。その影響で家庭が壊れた事例は数多く報じられ、麻里と広大の状況もその一つでした。

幸い、二人に子供はいないため、問題は二人だけのものとなっていましたが、彼らは離婚はめんどくさいという理由で、夫婦関係を解消することなく、お互いの恋人と過ごしていました。

須藤の長年の執着が報われ、須藤は麻里と付き合うことになりました。 


須藤は、麻里との交際が始まると、ずっと行きたかった場所に彼女を誘いました。

須藤は麻里と水族館にずっと行きたかったようで、水族館にいきました。

麻里は、完全に須藤に夢中で、喜びを隠しません。


麻里

今日は楽しみにしてたよ、ありがとう!


須藤

飯嶋さんこういうの好き?


麻里

うん!!


須藤の隣で、麻里は心から幸せそうでした。

しかし、麻里の口から、広大の話題が出た瞬間、須藤の喜びは複雑な感情へと変わりました。


麻里

広大、変なおばさんと付き合ってて私のこと何も怒ってないから安心してね


麻里は、「恋の鳥」の影響で広大への関心を失っているため、この状況を須藤との関係の障害がないことの証明として伝えたのです。


須藤

そうなんだ、わかった、、


須藤にとって、広大が嫉妬しないことは、麻里さんを手に入れた優越感を高めました。


「恋の鳥」の力によって、須藤の長年の夢は現実となり、彼は麻里との交際という**「幸せ」がずっと続いて欲しい**と心から願っていました。

須藤は実家暮らしでしたが、家にいるのは父親と母親と後々しかいないため、時折須藤の家に麻里が泊まりに来てくれることもありました。彼にとって、麻里が自分のテリトリーにいるという事実は、広大から麻里を完全に奪い取ったという優越感を満たしました。

一方、広大もまた「恋の鳥」の影響下にあり、峰下さんとセックスしていました。


麻里と広大は、お互いに不倫相手に夢中で、麻里と広大の生活は冷め切っていました。彼らは夫婦としての愛情もコミュニケーションも失い、ただ離婚という手続きの面倒さから、同居を続けているだけの状態でした。

この極端に歪んだ状況は、須藤にとっては非常に好都合でした。広大の存在はもはや障害ではなく、麻里の心は完全に自分にあると確信していました。


麻里と広大の夫婦関係は、完全に破綻していました。彼らは別々に寝ており、広大はソファ、麻里はベッドという生活が続いていました。

お互いに不倫相手に夢中で無関心の状態が続き、この異常な状況は三ヶ月経っていました。

仕事においては、お互いの感情的な問題が持ち込まれることはなく、支障はない状態でした。

そして、須藤にとっては、この間、麻里との交際と親密な時間が続く幸福な時間でした。彼は、麻里が広大の元から離れ、完全に自分のものになることを願っていました。


麻里たちが結婚してから1年未満の時期ですが、須藤は麻里に、決定的な要求を突きつけました。


須藤

ねえいつ多田さんと離婚してくれるの?


麻里は、須藤への愛情が超常的な力によるものでありながらも、現実的な判断が完全に麻痺しているわけではありませんでした。


麻里

えー、したいけど、周りから早いって思われちゃうし、、


麻里は、須藤への情熱はあるものの、社会的な体裁や、結婚から間もないという現実的な問題に、わずかながらの抵抗を示しました。この返答は、須藤の「自分の愛がすべてを凌駕する」という確信を揺るがすものでした。


麻里の離婚への消極的な態度に、須藤は焦りを感じながらも、まずは麻里の愛情を再確認しました。


須藤

俺のこと、好き??


麻里

うん💕


須藤

俺ってかっこいい?


麻里

うん!世界一💕


須藤

嬉しい、、


麻里の盲目的な愛情表現は、須藤の自己評価を最大限に満たしました。彼は、その愛情を確信するように麻里に深いキスをしました。


須藤は、自分が広大よりも「いい男」であるという信念が、超常的な力によって証明されたと感じていました。


広大の新たな恋愛

一方、広大もまた「恋の鳥」の影響下で、新たな恋愛に夢中になっていました。


広大

峰下さん、可愛いね、、 


広大の不倫相手である峰下さんは、45歳独身で、麻里さんとは全くタイプの違う女性です。広大くんは、峰下さんのルックスや年齢に関わらず、彼女に魅了されていました。


峰下

本当💕 嬉しい💕 キスして💕


広大

いいですよ


広大と峰下さんは、お互いの感情に突き動かされるまま、情熱的な関係を続けていました。

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