第12話 アプローチ開始

週明け。麻里と須藤は、テレワークの日でした。

須藤からは、業務連絡がメッセージツールで麻里に飛びます。須藤は、表向きは同僚として接しているのです。しかし、その裏では、どうやって麻里にアプローチするか、須藤は考えていました。


そんな中、須藤のスマートフォンに、大学時代の同級生、麦ちゃんから連絡がきました。


麦ちゃんは須藤が大好きな

麻里と須藤のサークル同期です。

※麻里と須藤は学科同じだが麦は違う


麦の策略と嫉妬作戦


ある日、麦ちゃんから連絡がきました。


萌(LINE)

すどう💕今日飲まない?


麻里さんは2年目で忙しいですが、須藤は部署に来たばかりで暇でした。


須藤(LINE)

暇だからいいよ


麦と須藤で飲んでいると、麦は麻里を揶揄うための話題を持ち出しました。


へー、麻里と同じ部署、、?


須藤

うん、、びっくりした


麻里のやつ喜んでるでしょ。

だって大学の時、、須藤のこと好きなのわかりやすかったもん


須藤

結婚してるって言われた...


でも須藤いたら須藤にしたくなるって💕

麻里のやつバカだから💕


須藤は、麻里に拒絶されたばかりだったため、麦の言葉が信じられませんでした。


須藤

なんでそう思うんだ?


だって、、大学の時、須藤のこと好きなくせに興味ないふりしてるのわかりやすかったもん

わかりやすかったと思わなかった??


須藤

興味ないふり??


須藤は、麻里の拒絶が**「好きだからこその照れ隠し」**なのではないかと、麦の言ってることが合っているのか混乱していました。

須藤は、自分にとって都合の良い解釈へと傾いていきました。


そーだ!


麦は、須藤と麻里の関係をかき乱し、麻里を追い詰めたいという悪意から、一つの提案をしました。


うちと須藤の2ショットXやインスタにあげない? 麻里と相互だからさ、麻里、嫉妬するよ💕


須藤は、麻里を振り向かせるための確信的な策だと感じました。


須藤

それ、いいかも、、


伝わらない嫉妬作戦

麦と須藤がXにツーショット写真をアップした後、麻里はそれを目にしました。


麻里(心の声)

須藤くん、麦ちゃんと遊んでたんだ、、

仲良かったもんね


麻里の心には、須藤の策略や、麦の悪意は届いていませんでした。ただ、遠い大学時代の同級生が遊んでいるという、それだけの認識でした。


麦と須藤の会話は、麻里を巻き込んだ悪意に満ちていました。


多分麻里のやつそのうち見るよ、今頃嫉妬してるよ


須藤

そうかな


ねえ、明後日も会えない? たくさん写真載せよ💕


須藤

うん!お願い


須藤は、麦の言葉を真に受け、「麻里に嫉妬させ作戦だ!」と意気込みました。


その言葉通り、明後日も、その明後日も、麦とイチャイチャした感じの2ショットを、麦と須藤お互いのアカウントであげました。


しかし、麻里の受け止め方は、須藤の期待とは全く違うものでした。


麻里(心の声)

(須藤くん、自分の顔写真載せるの好きじゃなかった気がするんだけど、、どうしたんだろ)


麻里は、須藤の行動を、ただの性格の変化だとしか思っていませんでした。広大への揺るぎない愛情と、須藤への**「もう終わったこと」**という明確な区切りが、彼の意図を全く遮断してしまっていたのです。


徹底的に助ける作戦

須藤は、麦と二人でイチャイチャした写真をXに投稿する嫉妬させ作戦を決行しましたが、麻里は態度を変えず、テレワークの時も出社の時も業務の話しかしてくれないのでした。


須藤(心の声)

(なんでだ?嫉妬してないのか?それとも、俺の気を引こうとしてるのか?)


麻里の反応の薄さに焦った須藤は、次の作戦を開始しました。それは、麻里が困っているところに現れ、ヒーローのように助けるという、麻里が困ってたら徹底的に助ける作戦でした。

しかし、麻里さんは部署2年目でもう自分で大体のことはできるようになっていましたし、難しいことはチーム長とかに聞くため、須藤に聞くことはないのです。


須藤(心の声)

(なかなか飯嶋さん困らないな、、)


須藤は、麻里の様子を常に伺っていました。


ログイン問題での接触

そんなある日、ついにチャンスが訪れました。

麻里は、社内システムのログインができなくて困っていました。何度か試してもエラーが出るため、困った顔をしていました。

須藤はすかさず動きました。

須藤はログインのやり方を調べて麻里に教えてあげました。


須藤

飯嶋さん、ここ、パスワードじゃなくてユーザーIDの入力方式が変わったみたいですよ。これで試してみてください


麻里

あ、本当だ!ありがとうございます。


麻里は、素直に須藤に感謝しました。須藤は、麻里からの感謝の言葉と笑顔に、小さくも大きな満足感を得ました。


須藤(心の声)

(よし、これで少しは俺の価値を認識してくれたはずだ)


須藤は、麻里からの感謝の言葉に気をよくし、麻里が困ってたら何度も連携しようとしていました。麻里が少しでもためらっている様子を見せると、すぐに「飯嶋さん、何か困ってますか?」と声をかけてきます。


須藤(心の声)

(俺が頼りになるって思ってもらえれば、旦那さんよりも俺の方が優れているって気づいてくれるはずだ)


しかし、麻里にとっては、この過剰なサポートは違和感となっていました。その時、麻里の頭に、ある人物が浮かびました。


木村くんとの対比

麻里は、中途同期の木村くんを思い出しました。

木村くんは、自分と広大が結婚してから全く絡もうともしなくなりましたが、広大が入社してくる前、麻里は木村の過剰な親切に困ったことがありました。


麻里(心の声・回想)

(あの時もそうだった……)


木村くんは、麻里が聞いてもないのに、ログインのやり方とか申請のやり方とか教えてこようとしていました。しかも、その教え方も下手でありがた迷惑だったことがあったのです。


麻里(心の声)

(須藤くんがやってることは、木村くんと一緒だ。私を助けたいんじゃなくて、私に気に入られたいだけなんだ)


麻里は、須藤の「優しさ」が、広大の**「慕ってくれて優しいところ」**とは全く違い、自己満足のためのアピールであることに気づき始めました。


あと、麻里はぬいぐるみ集めが大学からの趣味であり、趣味の話を須藤が麻里に持ち越すが


麻里

でも、すみません、私もう仕事に戻りますね


全く相手にされないのです。

こんなこと学生時代はなかった。。

むしろ逆だった。。


どうしてだよ。。


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