第9話 二人は、、?

麻里の告白を受け、固まっていた広大。やがて、彼はゆっくりと、噛み締めるように口を開きました。


広大

飯嶋さん、、本当ですか?


麻里

はい……(震える声で)


すると、広大の整った顔がじわじわと赤く染まっていきました。彼は少し俯き、照れくさそうに、でもハッキリと言葉を返してくれました。


広大

嬉しい……。俺も、飯嶋さんの気持ち、ずっと知りたかった……


広大

俺も……飯嶋さんが好きです


麻里

え……? 本当……?


信じられないという表情で広大を見上げる麻里。広大はそんな麻里を真っ直ぐに見つめ直し、今までで一番優しい笑顔を見せました。


広大

はい。……飯嶋さん、俺と付き合ってくれますか?


麻里

はい!!!!


その瞬間、麻里の目からは思わず涙が溢れそうになりました。

毎日、画面越しに追いかけ、ラウンジで横顔を見つめ、夜な夜な激しい妄想を繰り広げてきたあの「多田広大」が、今、自分の目の前で「彼氏」になったのです。

12月の少し冷たい風も、今の二人には全く感じられません。

183センチの広大の大きな体が、麻里のすぐ隣で、確かな熱を持って存在していました。


告白が実り、恋人になった二人。広大は顔を真っ赤にしながら、麻里の目をじっと見つめて提案しました。


広大

あの……キスしても、いいですか?


麻里

はい!!


二人の脳裏には、奇しくも同じ思いがよぎっていました。

(キスなんて……高校生ぶり……!?)

ゆっくりと顔が近づき、お互いの吐息がかかる距離。183センチの広大が少し腰を落とし、麻里の唇に優しく触れました。

ちゅ。

ほんの一瞬の、柔らかい感触。


ちゅ


麻里

//////


広大

//////


離れた後、二人はあまりの恥ずかしさにしばらく言葉を失い、真っ赤な顔で地面を見つめてしまいました。


麻里

て、照れちゃいます……


広大

飯嶋さん……俺、今日ずっと一緒にいたいです……


広大の声が少し低くなり、真剣な眼差しに変わります。


麻里

私も……多田さんといたいです


広大

帰したくないです。……飯嶋さんって、実家?


麻里

はい


広大

俺も実家なんですよ……。……ホテルでも夜、行きませんか?


麻里

行きます!!


即答でした。

これまで夜な夜なベッドの中で繰り広げてきた、あの激しい妄想。広大の大きな体に抱かれ、熱い夜を過ごすあのイメージ。

それが、ついに今夜、現実になろうとしています。

「はい」と答えた麻里の体は、期待と緊張で、かつてないほど激しいギュンギュンに襲われていました。


そしてラブホテル。

部屋のドアが閉まった瞬間、どちらからともなく手が伸びました。

先ほど公園でした「ちゅ」という挨拶のようなキスではありません。お互いの唇を何度も、何度も吸い上げるように重ね、離してはまた求め合う、深く熱いキス。

広大の大きな手が麻里の背中に回り、その熱を伝えてきます。


広大

あ……飯嶋さん、お風呂……先どうぞ


少し息を弾ませながら、広大が気遣うように言いました。


麻里

ありがとうございます...


シャワーの音だけが響く浴室で、麻里は真っ赤な顔で鏡を見つめていました。


麻里

(あ、あたし……27なのに、処女……。経験ないのに……!)


妄想の中では百戦錬磨のテクニシャンだった麻里も、現実を前にして手が震え始めます。


広大が入れ替わりでお風呂に入っている間、麻里は備え付けのドライヤーで髪を乾かしながら、必死に深呼吸を繰り返していました。


麻里

(どうしよう。多田さんも『最後は高校生』って言ってたけど……。もし私が初めてだってバレたら、引かれるかな? それとも……)


髪からいい香りが立ち上る中、バスローブ姿でベッドの端に腰掛ける麻里。

やがて、浴室のドアが開き、湯気を纏った広大が現れました。湿った髪、広い肩幅、そしてわずかに開いた首元から覗く男らしい肌。


麻里

(ついに……来る……!!)


「経験なし」という不安と、「多田さんと結ばれたい」という狂おしいほどの愛しさが、麻里の胸の中で激しくぶつかり合っていました。


バスローブ姿で並んで座る二人。麻里は意を決して、握りしめた拳を震わせながら告白しました。


麻里

あ、あの、多田さん……。あたし、恋愛経験なくて……27で、処女なんです


引かれるかもしれない。重いと思われるかもしれない。そんな不安を抱えながら顔を上げると、広大は信じられないものを見たかのように目を見開いていました。


広大

え! 飯嶋さんめっちゃ可愛いのに! 嘘!……本当ですか?


麻里

すると、広大はふっと視線を落とし、耳まで真っ赤にしながら自分の秘密も打ち明けてくれました。


広大

……俺も、26なのに経験なくて


麻里

え?!


驚きで声を上げる麻里に、広大は少し照れくさそうに、でもどこかホッとしたような表情で続けます。


広大

だから……やり方、わからないかもです


麻里

(多田さんも、初めてだったんだ……。私と同じなんだ……)


経験がないことへのコンプレックスが、一瞬で「多田さんと一緒」という喜びに変わりました。広大は、震える麻里の細い手を優しく包み込みます。


広大

飯嶋さんが初めてで……よかった。俺、下手くそだと思うけど……頑張ります


麻里

私も……頑張ります! 多田さんと一緒なら、怖くないです……


部屋の照明を少し落とし、二人は再びゆっくりと顔を近づけました。

「やり方がわからない」二人の、手探りだけど最高にピュアで、愛おしさに満ちた「初めての夜」が、静かに幕を開けようとしていました。


「初めて」を共有した二人は、手探りで愛を確かめ合いました。


麻里

まずは、キスから...


広大

はい.....


何度も、何度も、唇を重ねます。広大の大きな手が、震えながらも優しく麻里の肌に触れました。


広大

.....ここ、触りますよ


麻里

はいっ


広大の指先が触れるたび、麻里の体は熱く反応し、下半身はとろけるように濡れていきました。妄想で何度も見た光景。けれど、現実に感じる広大の重みや匂いは、どんな妄想よりも麻里を狂わせました。

しかし、いざ「その時」を迎えると、現実はそう簡単ではありません。


広大

あれ……入らない……?


麻里

いたっ...


広大

あ、すみません……! 痛かったですよね、ごめんなさい💦


焦って顔を赤くする広大。183cmの大きな体が、申し訳なさそうに小さくなるのを見て、麻里は愛おしさがこみ上げました。


麻里

大丈夫……。少しずつ、慣れていきましょ?


広大

……そうですね。今日は、無理しないでおきます


結局、この日は最後まで到達することはありませんでした。

けれど、二人は裸のまま、一つの毛布にくるまって朝まで語り合いました。

広大の広い胸の中にすっぽりと収まり、彼の心音を間近で聞く時間。


麻里

(セックスはできなかったけど……多田さんの心臓の音がこんなに近くで聞こえる。これだけで、私、生きててよかった……)


広大

飯嶋さん……すごく、あったかいです。俺、幸せです


麻里

私も、、幸せ


豪華な設備も、激しい快楽も、今の二人には必要ありませんでした。ただ、お互いが「初めて」の相手として、嘘偽りなく隣にいる。その事実だけで、麻里の心はこれ以上ないほど満たされていました。

二人はそのまま、互いの体温を分け合うようにして、深い眠りにつきました。


職場では「チーム長にはバレないように……」ラウンジでこっそり目配せし合う「秘密の恋」を楽しみながら、二人は着実に愛を育んでいきました。


セックスもデートのたびに徐々に慣れていき、、

長期休みは旅行も行ったり。

休みの日は必ず会いました。

お互いに


麻里

広大!


広大

麻里!


名前で呼び合うように。


二人はついに次の年の秋、結婚というゴールに辿り着きました。


結婚式は麻里は友人がほぼいないため

親戚ともちろん家族。

兄の裕太と麻里の幼馴染の悠太くんが参加。

広大の友人数名と広大の親族が参加。

※職場な人は特に呼びませんでした


同棲して様子を見る期間すら必要ありませんでした。

麻里は、広大という人の誠実さ、不器用な優しさ、そして自分だけに見せてくれる特別な顔を知るうちに、**「この人となら、どんな未来も絶対に幸せになれる」**と、魂の底から確信していたからです。


職場の人に

麻里と広大が結婚したのが知られた時、

ざわつきました。


同期の木村くんはやっぱりなと。

麻里に気が合ったイケメンの同僚森下さんはショック受けてました。。

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